東京モンブラン

ざっくり飲食備忘録です。

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ロオジエ/銀座

L’OSIER

2019年版ミシュランガイド東京にて3つ星復帰を果たしたフレンチレストラン。

ミシュラン東京発行初期には『カンテサンス』、『ジョエル・ロブション』と並んでミシュラン3つ星を獲得していましたが、2011年に資生堂ビルの建て替え、2015年版からは2つ星が続いていました。

そんななかでの3つ星復帰とあって、予約殺到が予想されたのですぐに予約をいれて向かうことにしたのです。


専属のドアマンが待ち構えていて、扉をうやうやしく開けてくれます。名前のとおり、ドアマンはドアを開けて閉める、だたそれだけを仕事にしています。

ではだれが案内をしてくれるかというと、すぐに専属のレセプショニストが案内してくれます。

予約の確認をして、上着を脱ぎ、たっかそうなソファに腰をおろして席に案内されるのを待ちます。


テーブルセッティングはシンプルながらいかにも高価な調度品が揃います。

ちなみにロオジエでは音のしないカメラおよびスマホでの写真撮影は許されています。

それもそのはずで、店内は非常に、異常に静かであり、BGMがごくごくわずかに聴こえる程度にかかっているのみ。

そんななかでカメラでカシャカシャやってたら雰囲気ぶち壊し必至。以前は撮影自体がNGでしたが、現在の寛大は配慮に感謝して撮影させていただきました。


左となりには富裕層らしき中国人、右となりにはビジネスを兼ねた会食をする男女。女性がとても美人だった。

両者ともに品がよく、僕らの幼さがことさらに浮き彫りになってきます。


よく見てみると、ショープレートの模様がすべてL’OSIERという文字。

こわいこわいこわい。

強迫観念待ったなし。刷り込み効果である。


最初のフィンガーフードは

お皿のいちばん左からポレンタの生地にアボカドのペースト。

真ん中は黒トリュフにリコッタチーズとなにかの生地(忘れました、、)。

右下は竹炭の生地にフロマージュブランのクリーム、サーモン。

とてもかわいいプレゼンテーションに気持ちがますますあがっていきます。


食べながらメニュー表を見てコースを選択できるのですが、そんなタイミングで、


黒トリュフのかたまり

いかつすぎる、、

季節柄、黒トリュフをたくさん使ったコースが用意されていたので、そのためのプレゼンテーションです。そのコースは選びませんでしたが、

「お写真はいかがですか?」

と言ってもらえたので写真だけ撮らせていただきました。いやあ、びっくりした、まじでこどもの頭くらいのサイズ感だった、、


バターですが、これどうやって絞ってるのかな、、


パンは3つのなかから選べます。バゲットを選択しましたが、これが粉のおいしさ、ちょっとした酸味がありとってもおいしかった。

これにバター塗って食べるんですよ。

うまい、うまい、、、


しかし!!


レストランでパンを食べるのが好きな僕ですが、今回はひかえめにすると心に決めています。

というのも、ロオジエはフリヤンディーズのワゴンが最後にやってきて

お菓子が選び放題


なんですよね。

それを事前に知っているので、パンはおさえめで、、


アミューズ・ブーシュ】

アミューズブロッコリーのブルーテにビーツのアイスクリーム。黒いものは竹炭のさくさくしたやつ。

ブルーテは非常になめらかであり、ビーツのアイスクリームはあくまでビーツの自然な甘味で仕上げてあります。

野菜のやさしいおいしさが詰まった一皿であり、これからはじまるコースのスタートとしてふさわしいお皿でした。


このタイミングで焼きたてのライ麦パンがやってきました。

これもめちゃくちゃうめえ!!


でもやめてくれ、フリヤンディーズがあるんや、、


【北海道産毛ガニと蕪のババロワ】

蟹のほぐし身。これはわかりやすくおいしいですね。臭みもなくおいしさだけあります。

その下には蕪のババロワ。これは蕪の風味と甘味がきれいに引き出されていて、なおかつ口当たりがよいので、より味わいが舌に感じやすいです。

紅芯大根のフイユはほんとうにきれいに色が出ています。

ソースはシードルと甲殻類のだし。酸味がいちばんに感じられる一方で、甲殻類の香ばしさもあとからきっちりと追いかけてくる深みのあるソースです。


「パンはいかがですか?」

「あ、はい」


はい、じゃねえ


【海苔巻きに見立てたハタのヴァプール】

魚はハタ。まわりを帆立のムースで覆って蒸したもの。

手が込んでいる、そしてうまい!!

スープはプティポワ(グリンピース)のブイヨン。下には根セロリ根セロリはうんざりするほど入っていますがおいしいのでいくらでもいける。

根セロリうまいってはじめて思いましたね、、

なんだか余分な味がないというか、必要な要素だけで味が構成されているという印象ですね。考えられないくらいに味わいが清澄です。


【牛肉のブレゼ】

メインは牛ほほ肉のブレゼ。

ソースはカオールワインで。『黒のワイン』と呼ばれるだけあって、ソースの色味も黒に近い仕上がりになっています。

酸味はあまり感じられず、これもまたきれいにきれいに作られたソースです。雑味がまったくない。

牛肉もナイフの必要がないくらいほろほろに煮込まれています。

付け合わせにはオニオンのキャラメリゼ、クミンの効いたニンジンのピューレ、しょうがの効いたにんじんのぶくぶくです。


【プレデセール】

レモングラスのソルベと日向夏のスープ。

お口直しの一品ですが、これはかなりはっきりと柑橘のエッセンスが効いています。



ここからはデセールやで、



と言わんばかりの転調です。


プレデセールなのに、なんかプティフール出てきた、、


ベルガモットのマカロンは鮮やかに色味が出ていてかわいらしいです。

食べるとベルガモットの香りがぶわっと広がってすごくいい。

このへんからもうなにがなんだかよくわからなくなってきました。


バナナのキャラメリゼとショコラはわかりやすい味覚ですが、この手の食べ物の最高峰レベル。


メレンゲとミックスベリー。さっくさくメレンゲにミックスベリーのきりっとした酸味のアクセント。


ブルーベリーとゼリー寄せは、はっきりとブルーベリーの香りと味わい。ブルーベリーって、お菓子にすると味わいがよくわからないことが多いのですが、そんなこと一切なしです。


【苺のヴァリエーション 様々な食感で】

いちごはフレッシュとコンポートの2種類。

赤いアイスはいちご、白いほうはタイムのソルベ。

下にはオレンジフラワーのジュレが配されていたり芸が細かい。そして単純にいちごがおいしく、ごろごろと入っているので満足感すごいぞ、となる。

見た目にも華やかです、これはだれでもテンションあがる!!

エスプレッソ】

ダブルのエスプレッソを注文しましたが、このタイミングではシングルサイズでやってきました。

その理由は後ほど、、



そして、、



きました、きましたよ!!!

フリヤンディーズ!!!!!!!


好きなものを好きなだけシステム。この世の幸福の具現化。


8個もらいました。もっとほしかった、、

なお、足りなかった場合はもういちど来てくれるとのことでしたが、さすがに品がなかったのでやめました。やめたことを後悔してますが、、

右から







【ヌガー】

ナッツたっぷりで食べ応えあり。ほかのキャンディーに共通していることですが、ひとつひとつ包装してあって手間がかかりまくっています。

【生キャラメル(塩)】

これはかなり粘度があり、包装から取り出すのがすこし困難なくらいテクスチャーがゆるめ。ですが口にいれてしまえばそのゆるさがなめらかなくちどけに直結してくれます。


【レーズンサンド】

ラム酒漬け?のレーズンをクッキー生地で挟んだサンド。レーズンのじゅわじゅわのエキスが支配的なお菓子で、これはクリティカルヒットなおいしさ。

【金柑のシロップ煮】

これもフリヤンディーズでぽんぽん出すようなアイテムではないよほんと。あまく煮込まれた金柑ってこんなうまいのかと脱帽。

【ココナッツのマシュマロ】

筒のなかに長い一本のマシュマロが巻かれるようにして入っていて、それをサービスマンの方が好きなサイズにカットしてくれます。

マシュマロってあんまり好きなお菓子ではありませんっが、ココナッツとの取り合わせは合うなと勉強になりました。


【プラリネのチョコレート】

L'

の転写シート、、さすがロオジエ、、

だいたい、これもわざわざレストランがボンボンつくるかなふつう、、

【ナッツ入りのメレンゲ

これも大きな1枚のメレンゲを好きなサイズで取り分けてくれます。

これはメレンゲではなく、

ムラング!!!

ブロンディール以外にもすばらしいムラングを発見できて僕はうれしい。

【アーモンドパウダーのクッキー】

こうした一般的なお菓子にも一切の手抜きなし。シンプルなものがおいしいというのがいちばんありがたいですね。



お菓子も食べたし、すごいなあしかし、と思ってエスプレッソを飲み干した、その瞬間、、


2杯目のエスプレッソ登場。

そうなのです。ロオジエではエスプレッソのダブルはシングルサイズを2回に分けて提供してくれるという神対応

こうすることによって温かい状態で飲めるというわけですね。

それにしてもどれだけこちらを観察してるのか、、スタッフの数がすごいんです、、


お手洗いからもどるとナフキンが折りたたまれていることは星つきレストランでは常ですが、当店ではまるごと新しいものに取り替えてくれます。

最後までほんとうにすばらしいです。





フレンチはしばしば

【敷居が高い】

【お高くとまっている】

と言われがちですが、僕はまったくそんなことは思ってなくて、行ってみると意外なほど気楽にたのしめるし、価格も日本料理や寿司のほうがよっぽど高くて手が出ない。

その思いはいまもかわりありません。

しかしこのレストランに限ってはこの敷居の高さや厳格さが必要であり、それに応えようとする客側の努力さえ必要だと思うのです。

それくらいレストランサイドがすばらしい仕事をしていると思います。

料理、サービス、雰囲気の三拍子が完璧に整った圧倒的な食体験でした。


このレストランは僕にとってかけがえのない存在になると思いました。自分の人生のうちでこんなすばらしいレストランに出会えたことに感謝したいです。

ごちそうさまでした。

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