東京モンブラン

ざっくり飲食備忘録です。

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【ネタバレあり】映画『翔んで埼玉』を観た雑な感想/雑記

ひさしぶりに映画を観に行くことにしたのです。

でもなにやってるかとかまったくわからん。

そんななか連れが、




「『翔んで埼玉』が観たい」


と。










なんですかそれ、、



「しかもこの映画、GACKT主演だよ」



なんかわかんないけど、






それは観るしかない。


というわけで新宿バルト9です。ピカデリーではやっていなかった。



もうポスターから濃いわけですが、


期間限定なのかわかりませんが、二階堂ふみGACKTの劇中衣装が展示されていました。

思っている以上にみんな興味なさそうで、写真撮ってるの僕とおっさんのふたりだけだった。



そしてこの日は2月22日(金)でしたので、図らずも『翔んで埼玉』公開日でした。



ところで一生高橋がかっこいい。





というわけで、ここから『翔んで埼玉』の感想です。


設定がとにかくぶっ飛んでいる


そのひとことに尽きます。

まずこの映画での埼玉は東京からひどい迫害を受けており、通行手形がないと東京に出入りすることができない。

そんな設定のなか、東京の名門校である白鵬堂学院を舞台に物語がはじまるのですが、この学校の作りこみかたがすごい。

まるで貴族の住む宮廷のような学校であり、調度品から衣装まで完全に手が込んでいる。そんななかで繰り広げられる埼玉ディス。そのギャップがまずおもしろすぎるんですよね。

白鵬堂学院ではクラス分けも出身地で行われ、Z組は埼玉なわけだけど、地味に同じ東京でも田無や八王子はばかにされているなど、軽く飛び火している。



そしてこの白鵬堂学院に帰国子女として転校してきたのが

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出典:Gallery|映画『翔んで埼玉』公式サイト|2019年 ROADSHOW


GACKT演じる麻実麗。

この学校が高校という設定なので、GACKTが高校生の役を演じるわけですが、これがまったく違和感ない。むしろこの役はGACKTにしかできない役であり、いまの若手俳優が演じても演じ切ることができないと思います。

というのも、この映画そのものがあまりにもばかげているので(ほめています)、演技がうまいとか、役になりきるとか、そういう次元ではないんですよね。

じゃあ誰が適役かというと、GACKT

彼ってふつうに立っているだけで日本人離れしているようなオーラを持っているので、こういう圧倒的に雰囲気が出来上がっている映画には適役なんじゃないかなと。

それにGACKTが真剣に埼玉を守ろうとして、シリアスな表情で埼玉の笑えるワードを口にするのがもうほんとうにおかしい。

彼がしゃべるたびに笑いそうになります。


でもそれだけではなくて、


ふつうにGACKTがかっけえええええええ


45歳のおっさんがこれだけかっこいいとか異常。

埼玉の通行手形制度の撤廃のために終始奮闘するわけですが、GACKTがやっていると汗臭くないんですよね。こんな茶番やってて汗臭さまったくないとか、それがすでにギャグ。



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出典:Gallery|映画『翔んで埼玉』公式サイト|2019年 ROADSHOW


GACKTの相手役になるのが、壇ノ浦百美演じる二階堂ふみ

演者は女性ですが、壇之浦百美は男性です。

百美は白鵬堂学院の生徒会長で、東京都知事を父に持っているので非常にプライドが高い。麗のことが気に入らず、生徒紹介で勝負をしかけます。

それが東京テイスティング

これは瓶に入った東京の空気を嗅いで、それがどこの空気か当てるゲームなのですが、これが最高におもしろいです笑

やっていること自体はとてもくだらないのですが、GACKTがそれをやっていると、年始番組の『芸能人格付けチェック』を彷彿とさせるんですよね。すげえまじめにやってるから。

そしてまた地味に飛び火する西葛西。

西葛西の名前が出てきたとき、館内のひとたちも、

「西葛西って千葉じゃないの?」

とざわざわしてました、、


あと、GACKTとふみちゃんのキスシーンがあるんですが、百美は男性設定でも演者が女性なので、そこは違和感なく観ることができました。

まあ、そこはBL好きとは意見は分かれるかもしれませんが、、

僕は百美のキャスティングを男性ではなく二階堂ふみにして正解だったのかなと思いました。


このふたりが一緒に東京を出て埼玉を守るために奮闘するのですが、その過程でどんどん百美が好きになっていきます。


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出典:Gallery|映画『翔んで埼玉』公式サイト|2019年 ROADSHOW


そんなふたりの行く手を阻むのが千葉解放戦線のリーダー阿久津翔。

伊勢谷友介が演じますが、このひとは演技の幅が広すぎ。

伊勢谷さんが出演している映画で『沈黙‐サイレンス‐』という江戸時代のキリスト迫害を描いた映画があるのですが、



ここでキチジローを演じていた人間と同一人物とはどうしても思えない!!

それだけ演技の振り幅があるのってすごいですよね。


この阿久津もまた、千葉から通行手形を撤廃したいと望んでいるわけですが、埼玉よりも先にそれを果たしたいと躍起になっている姿が真剣でありながら、ばからしくもあり。

ヒール役でありながらとても好感の持てるキャラクターでした。

埼玉解放戦線と千葉解放戦線が相まみえる流山での一幕はぜひ観てほしいです!!


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出典:Gallery|映画『翔んで埼玉』公式サイト|2019年 ROADSHOW


埼玉解放戦線のリーダーを演じるのは京本政樹さん。

埼玉解放のために影で暗躍する埼玉デューク。



埼玉デュークってなんなん


といまでも思っている。




そして彼が登場してくるあたりから、なんだか物語が時代劇みたいになってくるんですよね。

衣装もそうですが、移動が馬になったり、、


現代パートの都市伝説パートで分かれている意義


この映画は娘の結納のために東京へ向かう家族が車で移動する際、ラジオ(もちろんNAC5)から流れてくる埼玉にまつわる都市伝説を聴く、というつくりになっている。

この都市伝説が映画のホンチャンになるわけですが、途中で何度も場面が現代パートに戻る。

それがこの映画によいバランスをあたえている。

というのも、この映画は埼玉ディスに加えて舞台設定が突飛すぎるので、その世界観だけが2時間近く続くとちょっときついと思うひともいると思う。

そこに現代パートが入る。現代パートには菅原家の娘の愛海(島崎遥香)というとても現実的な存在がいて、終始この都市伝説に冷静なツッコみをあたえてくれる。

これがいい意味で話の流れを切ってくれるので、自分たちもこの都市伝説の傍聴人であることを意識させてくれるし、これは埼玉の話だけれど、完全にフィクションであるいう意識でたのしめる。

また、現代パートのおとうさん(ブラザートム)とおかあさん(麻生久美子)のやりとりもおもしろいので、ただのつなぎパートになっていないのも好印象でした。

細かな設定にアイテムの数々

この映画では埼玉の数多くの地名が登場する。

所沢、春日部と麗が発すると、百美が気を失いそうになるシーンがあるが、それだけ作中では埼玉が虐げられていて、地名だけのやりとりで劇場に笑いが生まれるというのはほとんど異常な現象だった。

また、常磐線の描き方もひどくて、途中でヌーの大群が横切って電車が動かなくなるシーンがあったりする。

ここまでくると、もはやなんの映画かわからない、、


名産品もいくつか登場する。

そのなかでも、草加、その名産品である草加せんべいを踏み絵に見立てて、

「埼玉県民でないなら、この草加せんべいを踏めるだろ」

というギャグはレベルが高すぎたし、これは演者がどこまでも真剣に演じているからにちがいない。


また、この手のギャグ映画にしてはとても設定が密であり、都知事の陰謀、金塊の在り処、伏線まできっちり張ってあるのが丁寧だなと感じられた。


それにこの映画はほんとうにいろんな要素を含んでいて、最初は学園ものだが、そこからBL(ボーイズラブ)、ファンタジーのように変調し、埼玉デューク登場からはまるで大河ドラマのように話が壮大になっていく。

だから序盤にかけて笑い声多めの劇場内だったが、終盤になるにつれて、みんな黙り込んで映画に見入るということが増えた。

観覧者を上手に世界観のなかに移行させ、この映画を受け入れさせているなと驚いた。


この映画が伝えたいもの


この映画が伝えたいものはなんなのか。



それは郷土愛だと思う。



なにもない。ダ埼玉などと揶揄され続けてきた埼玉県だが、埼玉にはいいところもたくさんあると、この映画では締めくくっている。

それは単なる予定調和ではなく、ほんとうにそうだからだと思う。

いろんなものがほどよく揃っているし、実際に最近では住みやすい街ランキングでもランクインされたりもしている。


この映画を通じて、僕は自分の地元に対して誇りを持とうとたしかに思った。僕の地元は東京だが、東京のはずれだし、ほとんど東京ではない。

地方のひとは東京というと全域が新宿や渋谷、港区みたいなところだと想像するというが、実際はまったくそんなことはない。

僕の生まれ育った場所は住所的には東京だが、まわりは山だし、すぐそばに多摩川があるし、小動物で電車が止まる。

だから僕はこの映画に妙な親近感を持つことができた。東京出身だけれどなんにもない場所で育ったからこその親近感だ。


だからこそこの映画を観て、いまの自分に自分の地元を誇ってほしい、そう強く思えた。


この『翔んで埼玉』を単なる埼玉ディス映画として観るのもとてもおもしろいと思うし、実際映画としての作りこみはなかなかにレベルが高い。

でも、そこからさらに踏み込んで、

自分の地元はどうだろう、

自分は、自分の地元を誇れるか、


そこまで考えてみると、またこの映画はちがう見え方をするかもしれない。




あまりまとまらないままに文章にしてみたけれど、ほんとうにすばらしい映画でした。

まあ、すばらしいの基準はひとそれぞれだよね!!

という責任逃れのひとことを残して、『翔んで埼玉』の感想を終わります!!


みんな観に行ってね、じゃあね!!!

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