東京モンブラン

ざっくり飲食備忘録です。

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イデミ スギノ/京橋

京橋初上陸です。こんなところにパティスリーがほんとにあるのかっていう感じの雰囲気です。都会はこわいです。



Pâtisserie HIDEMI SUGINO

ありました、イデミスギノ。

当店のシェフ、杉野英実シェフはこどものころにルコントのケーキを食べて感激し、『ホテルオークラ』を経て渡仏。『ジャン・ミエ』、『モデュイ』、『ペルティエ』などで修業し、エコール・ルノートル、リッチモントの製菓学校にも通っていた超努力派。

帰国後はパティスリーでシェフを務め、『クープ・ド・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー』の代表として日本を勝利に導き、2000年には東洋人初の『ルレ・デセール』会員に。

2001年に神戸にあった『パチシエ イデミスギノ』を閉め、翌年に現在の『イデミスギノ』をオープン。

名実ともに日本一有名なパティスリーであり、パティシエであり、食べログの口コミの数は1000を超えます(2018年現在)。

ほんとうに存在しているのか半信半疑でしたが、ちゃんとありましたね。


訪問したのは13時ごろ。お店に入ると一列に人が並んでいます。どうやらイートイン待ちのお客さんらしい。にしてもお店に入ってその静かさにびっくりします。まったくわいわいがやがやしてない。お店の雰囲気に全員のまれているような。

僕はきょうアンブロワジーというイデミスギノのスペシャリテを買いたかったのですが、13時時点で売り切れ。しかもアンブロワジーはイートイン限定商品らしい。

ちなみに、当店は写真撮影全面禁止であり、インスタキャピキャピ女子が軽い気持ちで行くと白い目で見られると思うので気をつけてね!!


さて、前置きが長くなってしまいました。

今回はイートインをする予定がなかったのでテイクアウトでいくつか。

にしても、箱の上からクッション材をかけるというケーキでは考えられない厳重な対応。そして写真ではわかりにくいですが、この箱のサイズはケーキ2個分の大きさ。買ったケーキは4つですが、4つをひとつの箱に入れるのではなく、2つに分けての梱包となっています。ケーキのための配慮が尋常ではない、こわい。


今回はこの4つを!!


ケーキがあまりにうつくしかったので、今回はめずらしく

映え

を意識してみました。うちのブログには似合わねえ、、


【スーボワ】

さっそくイデミスギノのスペシャリテであるスーボワから。

カシスのムース、そのなかに入っているのはキルシュのババロワ。お酒が香り、とても気品高いです。カシスのムースはカシスの酸味、甘味がかなり凝縮的です。

そしてムースのくちどけのよさ!!

口に含むと、わしゃっと泡のように広がり、とたんに溶けてなくなります。非常に淡いですが、果実味がとてもしっかりとしているので、淡いだけではない、芯の力強さを感じます。


【イリエウス】

こちらはチョコレートムース。


ライム、パイナップル、ココナッツなどの南国系のアイテムを使ったケーキです。夏らしいですね。

チョコレートのムースはチョコレートの味わいが濃厚です。砂糖のあまみというよりも、カカオ由来の果実味というか、酸味もほどよく感じられるような気がしました。

そんななかに南国果実のさわやかな酸味や、ココナッツといった植物油脂のコクが合わさってきて食べやすい仕上がりになっています。これまで食べてきたチョコ系ムースでいちばんおいしかったです。


【マングキャシス】

これもまたとてもかわいらしい形と色合いですね!!

そしてここの述べておきたいのですが、当店のケーキの盛りつけのフランボワーズ。どれもひとつひとつにソースが流し込んであるんです。

盛りつけのフランボワーズってそれほど個体がすぐれていないし、そもそもが色味を補うもの。しかし当店ではこういうちいさな仕事もきっちりこなしているという、、これはもう頭があがりません。


マンゴーのムースにカシスのムース、ジュレ

やはりムースの果実味がはなはだしい。もう盛りつけのマンゴーよりも果実味つよいのでは? と思うほどはっきりと感じられるマンゴーのフレッシュ感!!

カシスの酸味がマンゴーの濃厚なあまみにきりりとした輪郭を持たせてくれて、味わいがはっきりしていながら、ムースのくちどけのよさという繊細な部分もおさえた逸品です。


【アプリコロマラン】

アプリコットのムースに赤桃のムースという構成。

ムースの果実味、くちどけは前述したとおりなのですが、このケーキの個性はビスキュイに含まれたローズマリーの香り。

香草のさわやかな香りがアプリコット、赤桃といった核果実のあまみに寄り添う組み合わせ!! 気をてらってちょっと入れてみたとかではなく、はっきりとした計算された味覚であることがわかります。


焼き菓子は2つ買ってきました。

左が【モンモランシー】
右が【フィナンシェ ピスターシュ】


シチリア産のピスタチオを使用しているらしく、ピスタチオの色味もはっきり生地に出ています。ブランデーチェリーもジューシーで、ピスタチオとは定番の組み合わせですね。


こちらもピスタチオのフィナンシェ。ピスタチオのアイテムは際限なく買ってしまうやめてくれ。

このフィナンシェはしっとり系で味わいとしては王道の部類ですね。そこにピスタチオのペースト、刻んだピスタチオもはいっているとなれば、まあうまいよなああ!!



さすが、東京でもっとも有名なパティシエのお店だけあって、期待をまったく裏切らない、むしろ超えてきた実力店でした。


ただ、すうううううごく高い。


ケーキは650~680円が平均価格だし、焼き菓子も300円以上する。なかなかの東京価格。

それにケーキはほとんどムースだけなので、ムースが好きではないひとにはそもそも無縁です。

以上のことから、当店はかなりひとと状況を選ぶかと。ひとにおすすめのケーキ屋教えてって言われて、イデミスギノ、とは僕は答えないと思います。ムースしか買えねえじゃん、とか言われたら終わりなんで。

なので当店はパティスリー好きのためのお店なのかなって思いました。ぜんぜん詳しくないひとかぱっと訪れて食べてみたら、

サイズがちいさい、そのくせ高い、それに近寄りがたい。で終わってしまう可能性があります。そういうのってすごくもったいない。


しかしながら、当店のパティスリーとしての実力、ムース、焼き菓子、素材感の出し方は都内トップレベルであることはもう間違いないです。このお店でしか味わえない味覚であることもたしか。

すげーうまかったし、感動したし、新境地でした。そして思い知らされた自分の無知さ。僕ももっと勉強しなくては思った今回の訪問でした。

また時間をおいてうかがいたいと思います。

ごちそうさまでした!!


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