レピキュリアン/吉祥寺
L'EPICURIEN
吉祥寺駅から徒歩で5分、人通りのすくない道をゆくとぱっと黒いファザードがあらわれる。
レピキュリアン。
パティスリー好きなら知らないひとはいない名店、もし知らないでパティスリー好きを公言しているひとがいるならば、意識をあらためてもらいたい。それくらいの名店。
結論から言えば、もう、あほほどおいしかった。
金子哲也シェフは『ルコント』、『シェ・シーマ』、『オーボンヴュータン』を経て渡仏。『プラディエ』、『マルク・ヴェイラ』、『ジャック・カーニャ』ではシェフを勤め、帰国後に当店をオープン。
ちなみに当店の定休日は水曜日ですが、あれはまったくのうそであり、ほとんど土日祝日しか営業していません。
しかもケーキの販売は13時あたりからが多く、なかなかにハードルが高い。
前書きが長くなりました、本題にいきましょう。
訪れたタイミングでちょうど席が空いたのでもちろんイートイン。席数は8席ほどで、間隔も狭めです。
【カフェ・モンテ・カルロ】
連れがとった飲み物。エスプレッソ、スチームミルク、クリームの三段活用。
パティスリーはドリンクの価格が総じて高めなのが特徴ですが、当店のドリンクはクオリティーが高く、価格は気にならないくらいです。非常にクリーミーであり、そのなかにエスプレッソの苦みがきっちり決まっています。
めちゃくちゃうまいんだが!!!???
カフェラテそのものがおいしいわけですが、そこにアマレットの香りが付与されてもう圧倒的。
お気づきかもしれませんが、この記事にネガティブワードは一切出てきません。褒めまくり。
5つをオーダー。
連れいわく、
『きょうは品揃えがめちゃいい』
とのこと。神さまありがとう!!
【クイニーアマン】
パリセヴェイユのクイニーアマンに比べるとキャラメリゼはだいぶ弱めですが、これは生地のスペックがはんぱではない。バター感がすさまじく、これはもはやパンを食べているというより、
小麦粉を介してバターを食べている
そんな感じ。
フランス本土のヴィエノワズリーはこんな感じなのかもしれないですね、フランス行きてえ、、
【シュー・パリゴー】
ちっせえええええええ!!!
これはちいさい!!! エムコイデのモンブランを彷彿とさせるちいささです。
しかしこのサイズ感だからこそ感じられるアーモンドダイスと生地のバランス。生地に対するアーモンドを量が多くなるので、香ばしさが段違い。
パティシエールはオーソドックスでありながら皮の香りや個性に負けない地のつよさ。
ちいささは気にならないくらい内容の濃いシューです。
【レピキュリアン】
当店の名前のケーキ。見た目はとても地味。
しかし味わいはまったく地味ではない。派手でもないけれど、もう確実にうまい。
まずキャラメリゼのうつくしきことよ。その下にはシブーストクリーム。ふわふわのくちどけ。土台はタルト、パート・ブリゼです。そしてそこに敷き詰められたクリームのミルク感が!!
これはカスタードなのか? それともまったくべつのなにものなのか?
わかんねえ。おいしい、それだけがたしかです。
フランボワーズのアクセントで一本調子ではありません。台座のクリームのなかには細かい洋梨が入っていたりと、仕事しすぎです。
これもまたすげえミルフイユに出会ってしまったよあたしは、、
層1枚1枚が薄く、噛むと細かくばらけていくような食感。これ、いちばん好きなタイプのミルフイユです。
クリームのバニラ香もかなりのもので、食べながらついつい黙り込んでしまう。
「黙々と、、」
と連れに苦笑いされました。たしかに向かい合って座っている相手が真顔でケーキ食べていたら引く。
これとまったく対照的なのがエーグルドゥースのミルフイユ。あっちはかなりエアリーであり、連れはこのミルフイユよりエーグル派とのこと。
僕はパティスリーならエーグルドゥースがいちばん好きですが、まさかエーグルドゥースのミルフイユを推す連れと、思わぬ意見の食い違い。
僕のなかでのエーグルドゥース一強説が揺らいだ瞬間でした。
【フレジエ】
kyuuzitu-carameliser.hatenablog.com
僕が愛読しているはてなブロガーにnonkaさんというスコーン狂がいらっしゃるのですが、タイムリーな記事を書いていました。これを読んだ当時は、
「今年はもうレピさんのフレジエはわしには無理ぽ、、」
とあきらめムードであり、店に入る前もフレジエのことなんかまったく頭になかったのですが、入店早々にフレジエを発見した僕は、
フレジエが!!
フレジエじゃないすか!!!
え、それほんとにフレジエですか!!
あ、フレジエですね、、
という精神錯乱寸前の状態でぶっ倒れかけました。
このフレジエはフレジエを食べているにもかかわらず、エーグルのシャンティーフレーズを思い出させるほどのくちどけのよさに悶絶します。ビスキュイ生地、ピスタチオ風味のムースリーヌが一体になる感じと、苺のぱきっとした酸味です。
ムースリーヌってもっと重い雰囲気なんですが、これはサイズ感がちいさいこともあって重くなく、フレジエのいい印象を最後まで感じることができます。
すべてがおいしかったです、文句のつけどころがない。
なにより、僕のなかのエーグルドゥース一強説が揺らぐほどのケーキの出来栄えとクオリティーは、もう恐怖すら覚える。
それに当店は店内の雰囲気がとてもいいですね。一歩足を踏み入れるともうそこは吉祥寺ではなくて、ほとんどべつの世界というか。パティスリーにいるというより、『レピキュリアンにいる』、なんですよね。独特の世界観があります。
いやあ、まだまだ都内はすごいですね、底が知れない。僕ももっと勉強して、ケーキをもっとたのしみたいと思いました。
次回はモンブランを食べに!!
秋になったら適当な理由つけて仕事休むことにしよ。
ごちそうさまでした!!!
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