ブーランジェリー・セイジアサクラ/高輪台
BOULANGERIE SEIJI ASAKURA
高輪台から徒歩5分ほどにある当店。
シェフの朝倉誠二さんは15歳からパン屋で働きはじめ、21歳のころにはすでに一店のシェフになり、その後、コネクションもなしに渡仏。
『エリック・カイザー』、『ベルナール・ガナショー』で修業を積み、2008年に当店をオープン。
食べログの2017年、2018年のパン百名店にも選出されている実力店です。
当店は13坪しかないらしく、かなりこじんまりとしています。しかしアイテムの充実感はなかなかのものです。
【メロンパン】
まずはメロンパンから。
当店はゆず、レーズン、ホップから自家製の酵母を起こしており、それらの酵母をパンごとに使い分けています。
メロンパンはゆずから起こした酵母を使って生地を作っているので、生地からふわっとゆずの香りが漂ってきます。
メロンパンではありますが。
しかし自家製天然酵母だけが特徴ではなく、生地そのものがふわふわとおいしく、クッキー生地のさくさく感、バターの風味も濃厚で、メロンパンそのもののクオリティーが非常に高い。
【クリームパン】
こちらもメロンパン同様にゆず酵母を使用。
菓子生地がうまいことを確信します。
そして中身のカスタードクリームがどえらくうまあああああい!!!
これはパティスリー以上にきっちりとしたカスタードなのではないかと思われるできかもしれない。
そして生地からはゆず、つまり柑橘の香りがするので、カスタードとの相性も抜群。
【チーズカレーパン】
こちらはぶどう(レーズン)酵母を使ったカレーパン。
当店のパンは揚げではなく、焼き込み。高輪という立地を考慮してあえて焼きにした、当店を代表する一品。
TV、メディアでもしばしば話題になり、『パン・オブ・ザ・イヤー2015』ではカレーパン部門で金賞を受賞。
焼き込みにしているので、揚げにしたときの空洞がなく、焼きにすることによって使える材料の幅が広がるとのこと。
ごろごろと野菜がたくさん入り、スパイスの効いたルーにグリュイエールチーズがめちゃうまい。
カレーパンなのに胃もたれせず、これまでのカレーパンの食後感を覆す仕上がり。
【黄金色のバゲット】
名前にもあるように、とても色味がいい。こちらもパン・オブ・ザ・イヤーのフランスパン部門で金賞を受賞しています。
これまで見たことのないような艶やかな色合いに慄きます。
このバゲットのおどろくべき点は、このクラスト。
あぶくがぶくぶくと立ち、噛むとクラスト本来の噛み応えに加えて、あぶくのぱりぱりとした食感がはじけてきます。
これは完全にはじめての感覚です。
写真ではわかりにくいですが、クラムは薄茶色で、灰分をいくらかふくんだ香ばしいあじわい。
クラストとあわせて食べると、これが圧倒的なおいしさで、もう上記3つのアイテムをべた褒めしてきましたが、このバゲットの前にはすべてが前座だったのではないかと思えてきました。
結論。
僕のなかで、現時点でいちばんおいしいパン屋はアサクラです。
もうほんとうにおいしい。文句のつけようがまったくない。パーフェクト。
朝倉シェフはクリームパン、メロンパンなどの日本のパンも、文化としてとても重要ととらえているそうで、そのこだわりが食べてわかりました。
食べてわからせる、それができるってすごい。
なんというか、パンそのものがめちゃくちゃ饒舌、めちゃくちゃ語ってくる。
それゆえに、シンプルが好きなひとにはすこし情報が多すぎる気もしますが、パンってそもそもシンプルなもので、これだけの情報を詰め込んでみせるところに新境地をみました。
いいお店をみつけた。心からそう思える出会いでした。
絶対行ったほうがいい!!
ごちそうさまでした!!!
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