東京モンブラン

ざっくり飲食備忘録です。

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スリオラ/銀座


ZURRIOLA

ミシュランの星を持つ店が日本一多い街、銀座。そんな一等地に店をかまえる当店はモダンスパニッシュがジャンル。ミシュラン2つ星です。

本多誠一シェフは21歳で渡仏し修業。その間に旅行で行ったスペイン、その食文化に衝撃を受け、本格的にスペインへ渡り修業を重ね、トータルのヨーロッパ滞在期間は9年にもおよんだそうです。

帰国後は日本料理の超名店『龍吟』で修業、スペイン料理の名店『サンパウ』ではスーシェフを務めるなど経験豊富すぎるくらいの経歴です。

前評判が非常によく、以前からめちゃくちゃ気になっていた当店。たのしみです。


当店はカウンター席とテーブル席があり、カウンター席を選択。照明が暗めでめちゃくちゃかっこよ。

コースは5940円か8424円から選択できます。前者はメインを一皿、後者は2皿選べます。今回は5940円のコースにしました。


まずはアミューズから。


お米のチップスはさくさくとした軽い食感。ほどよい塩気で気持ちを高めます。

こちらはオリーブオイルの入ったパンのようなもので、

「ひとくちで食べてください」

とのこと。

噛むとオリーブオイルがなかからはじけます。こんなアミューズはじめてです。


【ハガツオと焼きなすのタルタル】

上に載せられたものがなすのクリーム、その下にはハガツオを細かくしたタルタルです。

なすって水気が多くて味が濃いほうではない食材ですが、このクリーム、なす独特の風味ががつんと押し出されていて、いい意味でなすよりもなすらしいといった感じです。

そしてかつおがまったく血なまぐさくない!! かつおって好きな食材ではないのですが、このかつおはめちゃくちゃおいしかった。

なすをクリーム仕立てにしたものもはじめてですが、それをかつおに合わせてくるというものおもしろいですね。完全に夏の装いです。


そんなタルタル、このトーストされたパンとあわせて食べますが、このパンがめちゃうま!!

このパンで終始コースをすすめたい。


と思いきや、本チャンのパンもめちゃうまなのですね。フォカッチャなのですが、これまで食べたフォカッチャとは比べ物にならないほどにもちもちとした食感。手に持つと密なパンの重みを感じますが、食後感もとても軽く、食事の邪魔を一切しません。


だからオリーブオイルをつけて食べてもまったく重くない。オリーブオイルうめえし、軽い。うまい油は軽いんすねわかります(よくわからん)。


塩は粒が荒いタイプ。岩塩かな? スプーンもおしゃれ。

けっきょくパンは3つ食べましたが、いま思えばもっと食べたかった、、


【サルモレホ アボカドのシャーベットと手長エビ】

スペインのスープといえばガスパチョが有名ですが、サルモレホもスペインのスープ。ガスパチョと内容は似ているみたいですが、サルモレホのほうがパンの配合が多く、よりどろっとした食感のようです。

サルモレホははじめて食べましたが、とにかくトマトの味わいがつよい。先ほどの前菜のなすも素材の原形を留めていませんでしたが、当店の料理は素材よりも素材らしいくらいの食材のおいしさを感じます。

サラダを食べていくとアボカドのシャーベット。これがまたうまいんだわ。デセールとして通用するなめらかさと濃厚な舌触りです。

添えられた手長海老もすげーあまい。パーツすべてうまい。


イカスミのパスタを詰めた白イカ アルスアウジョアチーズの香り】

イカスミのパスタとか、チーズのくせがなくて食べやすいとか、おいしいポイントはたくさんあるんですが、なにより述べたいのがいかのやわらかさ!!

いかって火入れしたら多少なりとも固くなったりするはずなのに、このいかときたら歯を入れたら力もいらずにすっと噛み切れる。筋がまったく感じられない。

もし当店のいかが本物のいかなら、これまで僕が食べてきたいかは、いか味のゴムだったのではないか。

それくらいの衝撃。いや、ほんとに。

料理自体とてもおいしかったのですが、とにかくいかがすごすぎて、そればかりである。


【スパイスを効かせた仔牛胸腺肉のフリット ロメスコソース】

連れがとったメインは仔牛の胸腺。いわゆるリードヴォーです。

ひとくちいただきましたが、やわらかな肉質とミルキーな味わいはまさにリードヴォーのお手本といったところ。やはり当店は食材を相当吟味していると思います。


【薪で燻したマグレ鴨とイチジクのチャツネ】

マグレ鴨はフォアグラを生産するために育てられた鴨で、たくさんの餌を与えられたため肉質がしっかりとしていて味が強いです。

そしていちじくのチャツネ(果物、香辛料を主としてつくられるペースト)の果実味が鉄分を含んだ肉にとても合います。

こういうレストランにきたらやはり鶏とか牛より、鴨とかのふだんあまり食べられない肉を食べたいですよね。大満足です!!


【アロスメローソ】

最後の締め。

「おなかに余裕があれば、ご用意いたしますがいかがなさいますか」

とのことで、即答でいけると答えました。

スープに溶けだした米のでんぷんでとろりとした感じになった、日本でいうところのおかゆのような食べ物。しかし米はしっかりと食感を残していて、流動食よりも食べている感がつよいです。椎茸と豚の背脂といったうまみのつよい食材との取り合わせもばっちしです。


【レモンのソルベテ クリームチーズとオリーブオイル

食後にはレモンのソルベ。いやあ、このソルベのレモンの効き方がすごい。ただ酸っぱいだけではなく、レモンのおいしいところが凝縮したといった感じ。パティスリーよりもレモンをうまく使っているのではないでしょうか。

ムース状のクリームチーズは軽く、レモンとは定番の組み合わせですが、王道もここまで丁寧に組むと異次元です。

そして底に敷かれたものはアルベキーナというオリーブオイル。スリオラで使っているオリーブオイルらしく、さわやかな、ほんのり青りんごのような香りがします。油から果実の香りがするって信じられますか?? 僕はいまだに信じていません。


【自家製チョコレート】

スリオラはチョコレートを自家製しています。最近はやりのビーントゥーバーみたいなことをレストランでもやるか、、

そういえば、1月にうかがった『フロリレージュ』もデセールでチョコレートでした。2つ星までくると、チョコに行く着くものなのでしょうか、、


【ライムソースの入ったチョコレート】

噛むとライムのソースがなかから出てくる仕様。アミューズでもそうでしたが、このサプライズ感好きです。


【バナナのフォンダンショコラ

こちらはしっとりとやわらかなチョコ。バナナとの組み合わせはもはや王道なので、うまいのひとことしかありえない。


【ミント風味のショコラドリンク】

冷たいチョコにミントの香りを移したドリンク。清涼感がつよく、どちらかといえば重いチョコの食後感をさわやかにしてくれます。


【カカオティー】

連れはカカオティー。ひとくちいただきましたが、香りはココア、味は健康茶のようでした。カカオティーという、いかにもチョコレートらしいあまいデザートティーを連想させる名前ですが、ぜんぜんそんなことはなく、食後に飲むことにも適したお茶でした。


僕はホットコーヒーで締めです。



ひかえめに言ってすばらしかったあああああ

最初から最後までおいしいおいしいばかり言っていました。むしろそれしか言っていない。

なにより食材のよさがほんとうにダイレクトに伝わってくる料理ばかり。かつおは生臭くなく、海老はあまく、いかはやわらかい。

クラシックなフレンチのような料理はどちらかというとソースに重きがあって、食材にいかに手を加えておいしくするかというのが焦点なわけですが、スパニッシュは食材そのものを味わうといった印象。日本食に通ずる部分ですよね、だからとても受け入れやすいというか。

とにかくおいしかった!!

おそらく、これまで行ったどこのレストランよりもおいしかったかもしれません。それくらいよかった。

なかなかスパニッシュって行く機会ないですが、これからはスパニッシュも積極的に勉強していきたいなと思いました。

ごちそうさまでした!!


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