ラチュレ/渋谷
LATURE
2016年の8月に渋谷にオープンした新星フレンチ。渋谷のフレンチというと、どうしても『ラ・ブランシュ』が意識される、そんな立地です。
当店の室田拓人シェフは銀座『タテルヨシノ』などで修業、『deco』でシェフを務め、当店をオープン。
当店はジビエ主体のお店で、シェフ自らが狩猟免許を取得しており、いつの日かの食べログでの定休日欄に
○月○日、店主狩猟のためお休みを頂きます。
という主旨の文言が。
2018年版ミシュラン東京にて一つ星を獲得し、いまもっともホットなフレンチレストランです。
当店は地下にあり、入り口がやったらかっこいい。
ですがなかに入ると店内は明るく、途端に暖かな雰囲気になります。
いっつもこいつカウンター座ってやがるなと、自分でも思っている。
【 鹿の血のマカロン】
マカロンは通常卵白を泡立てて作りますが、こちらのマカロンは鹿の血を使用。というのも、鹿の血は卵白の成分と似ているそうで、代用がきくみたいです。
そして肝心の味は、まったく問題なくマカロンでした。しっかりと甘く、食感もあり、血を使っているため滋味を感じます。挟まれたブーダンノワールも食べやすく、発想の突き抜け方とバランス感覚が絶妙です!!
そしてマカロンの下に敷かれているのは鹿の毛皮。
器は料理の構成要素のひとつ。当店のオリジナリティーがいかんなく発揮されています。
ふたつめのアミューズ。
ブリオッシュ生地にフォアグラのムース、かりんのコンフィチュール。
ブリオッシュとフォアグラがこっくりとした味わいで、かりんがそれをさわやかにしてくれます。
パンはさっぱりとしていて食べやすいタイプです。
【サーモンの低温調理】
サーモンは低温調理されて身質はとてもやわらか。その上にはレモンコンフィチュールや花、ハーブなどが華やかに盛り付けられていてあがります!!
ジビエ主体のお店ですが、魚料理も手加減なし。
そうだ、室田シェフはタテルヨシノ出身で、タテルヨシノのスペシャリテはサーモンの燻製です。記事を書きながらそれを思い出しました。
【タルト・ジビエ】
鹿、猪、熊が使われたタルトはジビエの個性が前面に出た仕上がり。それに加え、ポーションがしっかりと確立されていて食べ応えがはんぱではない。
まばらにフォアグラもはいり、コンソメのジュレもはいっていたりと、手間がすごくかかっています。
【鹿のもも肉のロースト 赤ワインソース】
鹿を食べているなと感じられるジビエ特有のくせ、かといって臭みはなく、肉質がやわらかい。ソースも酸味が効いていて、鹿にはこういうクラシックなソースがやっぱりあいますね。
そしてやはり、
ポーションがすぎる。
ふつうのお店なら1枚で一皿として成立させるサイズの肉が2枚。味もさることながら、費用対効果も抜群です。
メレンゲを使ったデセール。
なかにはマロンクリーム、クレームブリュレなど。とくにメレンゲのくちどけはパティスリーレベル。込み入ったデセールですが、もっとわかりやすいデセールも食べてみたいと思いました。
【お茶のフィナンシェ】
ちいさくかわいらしいフィナンシェはお茶入りでさっぱり。やっぱりこういうわかりやすいお菓子もおいしく作りあげているというのは実力者の証ですよね。
最後に室田シェフ自らにあいさつに来て頂き、話をさせてもらいました。
ミシュランの星獲得おめでとうございます、というと、
「まあ、ああいうのはおまけくらいなものなので」
と笑顔で答えられていたのが印象的でした。
自ら狩猟を行い、その命を頂くという行為のありがたさを心から伝えたいという心意気が、シェフの笑顔からうかがえました。それさえできれば、ガイドブックや、地位や名誉なんかどうでもいいんだというような、そんな人柄なのでしょう。もう感動してしまいます。
ふだん僕はレストランでディナーを食べたいとは思わない人間なのですが(単純にお金がないということもありますが……)、当店のディナーはぜひとも食べたい! タイミングを見つけてぜひ再訪します!!
食べログの予約を見てみるとかなり予約が埋まっているので、これ以上予約がとれなくなる前にみなさんもぜひ!!
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