オー・コアン・ドゥ・フー/中目黒
Au coin du feu
中目黒駅からほど近い路地にぽつんと佇むフレンチレストラン。
フレンチレストランということもあって、もっとぴしっとした外観を予想していましたが、想像していたよりはるかに地味でびっくりしてしまいました。
しかし当店、ミシュランのビブグルマンに何年も連続して選出される佳店。
ビブグルマンとは簡単に言えば
『うまくて安い店』
とミシュランが認めた店。
ミシュランといえばどうしても星というイメージが先行してしまいますが、実は星つきレストランよりビブグルマンの掲載数のほうが多いのです。
お昼のコースを選択。
2500円。
税抜き3000円未満で、前菜、スープ、主菜、デセール、コーヒーという構成がどうして生まれるのか非常になぞ。
プラス料金で前菜を変更することも可能です。
ズワイ蟹、帆立のクープ仕立て、オマール海老のコンソメジュレとウニ添え
+800円の前菜。
もうビジュアルがおかしい。おかしい。
これはもう説明する必要がない味覚。
うにうまい!
オマールジュレうまい!
ズワイ蟹、帆立うまい!
にんじんムースなめらかうまい!
総じて
うまい!!!
なのだ。
厚切りサーモンの瞬間燻製 温泉卵添え
当店が食通に愛されるゆえんは価格の安さに加えて、ポーションがしっかりと確立されている点です。
がっつり切って、がっと口に頬張ることのできる迫力あるサイズ感です。
ソースはラビゴット。燻製の香りと酸味のバランスがうまいどす。
パンはふわふわ系ではなく密度の高いタイプ。
パン自体はとてもおいしいのです。ですが、当店はサービスをマダムひとりだけで切りもっているので、非常に声をかけにくいし、かけても気づいてもらえない。パンのおかわりがとてもしにくい。そこが唯一残念な点です。
かといってマダムのサービスがおざなりというのではなく、サービスをしてくれているときは非常に丁寧で、かなりの技量があることがわかります。それゆえにもうひとりサービスが加わったら当店はさらにすごくなるような気がしました。
白菜とマッシュルームのスープ
こやつは完全なる冬の味。
食材の原形はありませんが、スープ自体が白菜とマッシュルームそのものの味のする仕上がり。濃度があり、飲みごたえがあります。
黒毛牛ハラミ肉のステーキ
肉のおいしさはもちろん、野菜がうまい。それぞれ違う調理法を施しているのでしょう、それぞれ食感がたのしく、野菜ってゆたかだなあとうれしくなる。ドレスは無骨ですが、それもまたよき。
ハーブ豚肩ロース肉のロースト
ひとくちいただきましたが、牛よりうまかった、、
デセールはセイロンティーのアイス、ホワイトチョコレートのムース、オレンジのゼリーとコンポートのようなもの。
アイスがとくにおいしかった。
ゼリーはスパイスが効いているのか、独特の風味がしていました。
コーヒー紅茶でおしまい。
うーん、全体を通しておいしいお店でした。
とくに前菜は圧巻。+800円を払う価値は十分にあります。ここまで価格と味で満足できるレストランって少ないんじゃないかな。
また季節が変わったら伺いたい、そんなお店でした。
ごちそうさまでした!!