アテスウェイ/吉祥寺
行列がきらいです。大きらいです。
ラーメンが好きではない理由の一端もそこにあります。なので、外食をする際にはかならず予約を入れるようにしています。ファミレスでも一本電話を入れたりします。
ですが、今回はそうもいきません。土曜日の10時40分、開店20分前。その日は小雨がちらついていましたが、すでに50人ほどの行列ができていました。
a tes souhaits!
吉祥寺駅から15分ほど歩いた辺鄙な場所にあるパティスリー。
ですがこのお店、食べログで4.0越え、東京でもっとも有名なパティスリーのひとつ。そしてこの行列の理由は、期間限定のモンブランによるものだと思われる。
なんでも当店のモンブランはパティスリー好きの間ではほとんど神格化されており、ネットや雑誌で絶賛され、それを嗅ぎ付けたひとたちが1度は食べたいと訪れるようになり、しかしそのモンブランは日に150個ほどしか作られず(大した数ですが、、)、午前中には完売してしまうために、よけいに行列ができるという構図らしい。
うーん、みんな、モンブランが好きなんだなあ。
店内は撮影禁止でした。白と銀を基調とした店内はパティスリーというより、むしろブティックの雰囲気に近く、高級感が半端じゃない。大人のパティスリーという感じで、非常にかっこいいです。
【クイニーアマン】
当店はショーケースの上のスペースにクロワッサンなどのペストリー、焼き菓子が並べられています。連れが迷ったすえにひとつ購入。
しかしこの選択が大正解。生地がさくさくで、バニラが練り込まれています。裏面のキャラメリゼが薄くてパリパリ。
クイニーアマンのキャラメリゼってかちかちで食べにくいことが多いですが、これは生地の層と一体となる感じ。
これはうまい、これまでのクイニーアマンでいちばんでした。パン屋のよりうまいとか、引くわ。
今回は4つ買いました。
【フォルティッシマ】
チョコレートのスポンジとチョコレートの濃い部分とが層になっていて、口に入れるとチョコもスポンジもさらっと消えてしまうくらいなめらか。ほんと一緒に消えていきます、これは計算されていますね。
【タルトタタン】
どっしりとしたりんごが迫力満点。
生クリームにはバニラビーンズがはっきりと確認できるくらいに入っています。台座はパイ生地で、なかにカスタードが絞られています。
そしてこのりんご、写真ではわかりにくいのですが、実は半身をそのまま使っているのではなく、薄切りにしたものを重ね合わせて形が作られています。どうやって作っているのかまったくなぞ、、
【マカロンピスターシュ】
こいつはうめー。マカロン、クリームともにピスタチオが効いていて、クリームには砕かれたピスタチオが入っているのでより香ばしい。
全体的に甘口ですが、ベリーの酸味がきゅっと全体を引き締めてくれるのでそれほどくどくなくいただけます。
【モンブラン】
行列を前に、買えるのかな? 売り切れちゃうかな? と心配しましたが、無事買えました。
アテスウェイのモンブランは、ふつうのモンブランとストリングがまったく異なり、高さがあるぶん迫力があり、ポーションもしっかり。
なかの生クリームはタルトタタンと同様にバニラが効いています。当店のバニラ使いは豪快ですね。金かかってやすぜー。
その下には濃いマロンクリーム。ペーストといってもいいくらいに濃厚です。下のメレンゲはふつうのモンブランとちがって外にむき出しになっているのでとてもさくさく感が強い。
全体のあまさとしては、マロンストリングはしっかりとあまく、そのかわりになかのクリームたちはあまさひかえめでバランスがとられています。それぞれのアイテムに意図があり、個性があり、しっかりとすべてが調和しています。うまい!
しかし、僕のなかでのモンブラン第1位の座はモンサンクレール。こっちも文句なしでおいしいんですが。もはや好みのちがいです。
【ガレットブルトンヌ】
ガレットブルトンヌって、バターと砂糖のかたまりのようなお菓子で、ふつうは型抜きしないで型のまま焼くので厚いのがふつうなんですが、こちらのは薄焼き。なので食感がぱりぱりって軽やか。塩気がアクセントになっています。
うーん、たしかに並ぶだけの価値があるパティスリーでした! 買ったものすべてがしっかりおいしい。
『すべておいしい』
これはすごいことです。いくつも買えば、なかには気に入らないものがあるはず。偶然かもしれませんが、偶然にしてもすごい。
行列に並ぶひとたちはオープン前からうきうきとあかるく、ショーケースを眺める姿は少年少女のよう。前評判がよすぎて、ハードルがんがん上がっていましたけど、みごとに飛び越えてくれました。また食べたいなあ、、