東京モンブラン

ざっくり飲食備忘録です。

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鳴龍/大塚

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鳴龍
ミシュラン東京2017にてミシュランの1つ星を獲得した2店目のラーメン店。2018年版もその星をみごとに保持。当店の主軸は担々麺。担々麺の店がミシュランで星を、、違和感はぬぐえませんが、日本のラーメンという文化が世界に根付き、グローバルになり、しっかりとしたひとつのジャンルとして認められた証拠ですよね。そこはすなおにうれしい。

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しかし当店の行列はえぐい。開店11時30分、我々は10時45分に到着したのですが、すでに20人近い行列。しかも、我々が席に着いたのは12時35分。
1時間50分。どゆこと。人生のうちでこれだけ長く列に並んだのってはじめてかもしれません。しかも11月とあって寒い。さらにいえば、当店はまわりにビルやマンションが立ち並び、その影で気温が上がらない。ビル風が冷たい。もうね、こんな状況下ならなに食ってもうまいわ。
カップ麺食いてえ、、
そんな心境。

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そんなこんなで無事に席に着くことができました。身体の末端が冷えている。きっと出し抜けにカップ麺出されてもうまい!と叫べる状態。鳴龍に対するハードルの高さはもはやない。あったかい麺ならなんでもうまい。

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担々麺
橙色のスープと、真ん中に添えられた九条ねぎの色合いがなんともうつくしいです。

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担々麺といえばごまペーストが主軸だと僕は思っています。しかし当店のスープはごまの主張がおさえめ。風味も香りもしますが、担々麺によくあるとろっとした感じのスープではない。その時点で当店の担々麺のウェイトはごまではなく、ベースのスープにあるんだなとはっきり理解しました。
当店のスープは、鶏や牛からだしをとるみたいですが、そこに牡蠣も加えているらしく、おいしさが複雑。しかし味に濁りはなく、担々麺なのにすっきりと澄んでさえいて、そこに八角の香りがプラスされている。ごまの主張を抑えているのは、だしのおいしさや八角の香りを損なわないようにするためかもしれません。けっこう辛く、酸味も効いています。ラーメンって塩分と油がきついことが多くて、僕はそこが苦手なんですが、このスープはそんなことがなく飲み疲れない。いろんな要素で飲ませるスープです。

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麺は店の自家製麺らしく、そうめんみたいに白くて細い。しかし噛むと歯応えがあり、スープがよく絡む。ふつうの担々麺の太麺だと、このスープには絡まないはず。きっちり計算が行き届いています。

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花山椒はお好みで。すでにスープが完成されているのでやや蛇足かもしれません。

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特製塩拉麺
連れがとったのは塩ラーメン。1000円を超えてくる一品ですが、スープがもう絶品です!前述の坦々麺と同じく、出汁は牡蠣や鶏、魚介だと思いますが、塩味だとその味わいが坦々麺よりも鮮烈。海老ワンタン、たまごはまるっとひとつまるごと。チャーシューに関しては3種類も配され、そのなかの焼きチャーシューは厚切りで、噛むとぐにぐにとした弾力で押し返してくるくらいで、肉の脂分と香ばしいおいしさがやってきます。ひとからもらったひとくちのなかで今年いちばんおいしかった。坦々麺も相当にいけてましたが、連れのことがめちゃくちゃうらやましくなりました。でもひとくちくれてありがとう。


1000円を越えてくる最近のラーメンのスタイルに苦言を呈している僕ですが、ここのラーメンにはそれだけのお金を払う価値があると思いました。連れのラーメンのひとくちでそう思わせる技量です。
しかしながら、ミシュランガイドはすごいなと感心します。ラーメンにまで幅を利かせて、ちゃんとカテゴリーとして発展させようとする積極性。もちろん話題性という面も考えてのことだとは思いますが、それでもその調査能力には脱帽します。
しかしやはり、この行列はミシュランガイドの弊害ですね。当店はミシュラン1つ星をとってから売り上げが4倍近くになったらしく、店主スタッフともども過労で店が潰れたりしないかと不安にもなります。レストランみたいに予約もできないし、ラーメンに2時間近くならぶなんてしょっちゅうできない。できればもうやりたくない。うーん、ラーメンのミシュラン掲載もなかなか簡単な話ではないなと妙に考えてしまいました。
しかし、とにかく味は本物。ラーメンでこれほど高揚したのははじめてかもしれません。ラーメンについてはこれからもっと勉強しないといけないなと反省しました。機会があればまた来て、つぎは塩ラーメンを食べたい。ごちそうさまでした。

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