ル・ブルギニオン/六本木
Le Bourguignon
六本木ヒルズから程近い場所に店を構えるミシュラン1つ星のフレンチレストラン。
シェフは菊地美升(きくちよしなる)さん。フランスでの修業を経て独立。東京の一等地で15年以上お店を継続する実力は只者ではありません。
弟子には「ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー」の下野シェフ、「フロリレージュ」の川手シェフなどがおり、有名シェフを多く輩出しています。絶対的な信頼感を持って入店!!
清潔感のある内装。12時半に入店し、満席状態でした。
メニューは2500円、4500円の2種類。4500円のものをオーダー。
【アミューズ グジェール】
中には細かくされた豚の塩漬けが挟まれており、シュー生地はチーズの風味が強烈。アミューズから手加減なし。
フランスパンは普通味。バターはたっぷり用意されて気前がいいです。
【人参のムースとコンソメのジュレ ウニ添え】
ムースはなめらかで人参の甘さやコクなどのいいところが丁寧に引き出されています。添えられたウニに負けない濃厚さです。
友人がとった前菜。上から
【鶉のソテー ロメーヌレタスのファルシー】
【ブーダンノワールのテリーヌ仕立て】
前菜から鶉を出してくれるとは!
ひとくちいただきましたが、肉質がやわらかでおいしいです。鳥ってやっぱりおいしい。
ブーダンノワールはシェフのスペシャリテで、本来は豚の肉や血を使った腸詰めの食べ物ですが、ここではテリーヌ仕立てに。
僕は豚の血は食べるほどの食材とは思っていないので、こうして友人がとってくれてひと口もらえると勉強になります。血の鉄分と肉々しさが詰まった一皿です。
【鯛のポワレと鳥のだしのスープ】
これがもうほんとにおいしかった。皿には鯛と小松菜、スープのみのシンプルな盛り。
澄んだ鳥のだしが中華スープのようなニュアンス、それだけ強いうま味。
鯛も皮目が強気の火入れでぱりっと香ばしい反面、身はやわらかくスープとの相性がばっちり。
本日いちばんのお皿です。
【牛ハツのロティ マスタードソース】
ハツは心臓のこと。固くならないために大きめのポーションで火入れをしているらしく、固くなった肉とは明らかに違う弾力を噛み締めたときに感じられます。うまい。
上から
【牛頬の煮込み マデラソース】
【子羊のパイ包み アニョソース】
友人がとったお皿はどちらもクラシックな料理。伝統料理の持つうつくしさもそうですが、ポーションにもびっくり。かなりしっかりと食べ応えのある量です!
牛頬は丁寧に煮込まれて、なおかつ塩分のバランスがぴったし。煮込みって塩っ辛くなりがちですがそんなことなし。
一方のパイ包みはソースが秀逸!!アニョソースはバターベースなのかな、こってりとして重厚。
フレンチ!なソースです。
【赤ピーマンのプリン】
シェフのスペシャリテ。赤ピーマンをプリンにしちゃうなんて柔軟な発想が僕もほしい、、
赤ピーマンらしさはほのかに感じられる程度に抑えられ、主張は強くない。おもしろい一皿でした。もちろんプリンとしておいしかった。
友人の皿はマンゴーとパッションフルーツを使ったデセール。皿と盛りの優雅さがおそろしいくらいにフォトジェニック。男三人できゃあきゃあ騒ぐ気持ち悪い絵面の完成です。
もうひとりはココナッツのブランマンジェ、ルバーブのコンポート添えでしたが、写真を撮り忘れてしまいました、ショック、、そしてこれが3つのデセールでいちばんおいしかった、、
食後にコーヒーを飲んでごちそうさまでした。プティフールはありませんでした。
期待を持ってお店に伺うことは常ですが、その期待を越えてくるレストランはほんのすこしです。そして当店はそのほんのすこしのお店。
接客も物腰やわらか、フレンチにあるあのなぞの緊張感も当店には感じられず、来た客を全力でもてなすホスピタリティーに満ち満ちています。完璧かよ。
誰に勧めてもはずかしくないレストランです。デートに、記念日に、自分へのちょっとしたご褒美に、すべてのシーンで使えるお店です。最高です、絶対にまた行きます!!