パティスリー モンサンクレール/自由が丘
モンサンクレール
オーナーパティシエは辻口博啓。和菓子屋の息子として生まれるが小学生のころに食べたショートケーキに感動し洋菓子の道に進むことを決意。『全国洋菓子技術コンクール』を史上最年少の23歳で優勝。その後はパティシエのワールドカップ『クープ・ド・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー』の飴細工部門で優勝。日本でもっとも有名なパティシエのひとり。
内装は落ち着いたシックな雰囲気。ショーケースのなかのケーキがとてもきれいに映えてうつくしい。
箱菓子も充実しています。おみやげにモンサンクレールの焼き菓子なんて持ってこられた日にはその人を惚れずにはいられないでしょう。
今回買ってきたケーキ。
サンマルク 580円
クラシックなケーキです。バニラのムースとチョコレートのムース、ビスキュイジョコンド(アーモンドを使ったスポンジケーキ)という構成。
味は安定のおいしさなのですが、印象には残らないなあと漏らすと、製菓衛生師の資格を持つ彼女が、
「このムースのふわふわ加減はそうそうできることじゃないよ」
と指摘。見る人によって見え方と味が格段に変わるのが料理製菓の世界。自分の知識の少なさを恥じます。
ショコラベルベンヌ 650円
完全にダークマター、暗黒物質的外観。吸い込まれそう、、
中には柑橘(おそらくグレープフルーツ)のジュレ、チョコレートのムースにチョコレートのスポンジ。
見た目に反して非常にさわやかな味わい。もっとがっつりした味わいなのかと思っていたのでびっくり。
モンブラン 480円
中には生クリーム、濃味のマロンクリーム、メレンゲ。クリームすべてが口に含むとすうっと消えてしまうくらいに淡くて繊細。ラム酒がしっかりと効いた大人味。それでいて味はしっかりしていて、それでも甘すぎずにすいすいいけてしまう。これは非常においしい!辻口シェフの底力を見た気がします。
僕はケーキにおいてモンブランとタルトが好きなので、モンブランがおいしいというのは非常に重要な再訪ポイントになります。このお店のモンブランはまたぜひ食べたいなあ。
あと思ったことですが、ケーキのポーションは全体的に小さめ。おしゃれポーションなので2つくらい食べられちゃうのですが、その割に高いです。同じ自由が丘にあるパリセヴェイユのほうが価格に見合うポーションのような気がします。気分に応じて使い分けるといいかもしれません。
ル・ブルギニオン/六本木
Le Bourguignon
六本木ヒルズから程近い場所に店を構えるミシュラン1つ星のフレンチレストラン。
シェフは菊地美升(きくちよしなる)さん。フランスでの修業を経て独立。東京の一等地で15年以上お店を継続する実力は只者ではありません。
弟子には「ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー」の下野シェフ、「フロリレージュ」の川手シェフなどがおり、有名シェフを多く輩出しています。絶対的な信頼感を持って入店!!
清潔感のある内装。12時半に入店し、満席状態でした。
メニューは2500円、4500円の2種類。4500円のものをオーダー。
【アミューズ グジェール】
中には細かくされた豚の塩漬けが挟まれており、シュー生地はチーズの風味が強烈。アミューズから手加減なし。
フランスパンは普通味。バターはたっぷり用意されて気前がいいです。
【人参のムースとコンソメのジュレ ウニ添え】
ムースはなめらかで人参の甘さやコクなどのいいところが丁寧に引き出されています。添えられたウニに負けない濃厚さです。
友人がとった前菜。上から
【鶉のソテー ロメーヌレタスのファルシー】
【ブーダンノワールのテリーヌ仕立て】
前菜から鶉を出してくれるとは!
ひとくちいただきましたが、肉質がやわらかでおいしいです。鳥ってやっぱりおいしい。
ブーダンノワールはシェフのスペシャリテで、本来は豚の肉や血を使った腸詰めの食べ物ですが、ここではテリーヌ仕立てに。
僕は豚の血は食べるほどの食材とは思っていないので、こうして友人がとってくれてひと口もらえると勉強になります。血の鉄分と肉々しさが詰まった一皿です。
【鯛のポワレと鳥のだしのスープ】
これがもうほんとにおいしかった。皿には鯛と小松菜、スープのみのシンプルな盛り。
澄んだ鳥のだしが中華スープのようなニュアンス、それだけ強いうま味。
鯛も皮目が強気の火入れでぱりっと香ばしい反面、身はやわらかくスープとの相性がばっちり。
本日いちばんのお皿です。
【牛ハツのロティ マスタードソース】
ハツは心臓のこと。固くならないために大きめのポーションで火入れをしているらしく、固くなった肉とは明らかに違う弾力を噛み締めたときに感じられます。うまい。
上から
【牛頬の煮込み マデラソース】
【子羊のパイ包み アニョソース】
友人がとったお皿はどちらもクラシックな料理。伝統料理の持つうつくしさもそうですが、ポーションにもびっくり。かなりしっかりと食べ応えのある量です!
牛頬は丁寧に煮込まれて、なおかつ塩分のバランスがぴったし。煮込みって塩っ辛くなりがちですがそんなことなし。
一方のパイ包みはソースが秀逸!!アニョソースはバターベースなのかな、こってりとして重厚。
フレンチ!なソースです。
【赤ピーマンのプリン】
シェフのスペシャリテ。赤ピーマンをプリンにしちゃうなんて柔軟な発想が僕もほしい、、
赤ピーマンらしさはほのかに感じられる程度に抑えられ、主張は強くない。おもしろい一皿でした。もちろんプリンとしておいしかった。
友人の皿はマンゴーとパッションフルーツを使ったデセール。皿と盛りの優雅さがおそろしいくらいにフォトジェニック。男三人できゃあきゃあ騒ぐ気持ち悪い絵面の完成です。
もうひとりはココナッツのブランマンジェ、ルバーブのコンポート添えでしたが、写真を撮り忘れてしまいました、ショック、、そしてこれが3つのデセールでいちばんおいしかった、、
食後にコーヒーを飲んでごちそうさまでした。プティフールはありませんでした。
期待を持ってお店に伺うことは常ですが、その期待を越えてくるレストランはほんのすこしです。そして当店はそのほんのすこしのお店。
接客も物腰やわらか、フレンチにあるあのなぞの緊張感も当店には感じられず、来た客を全力でもてなすホスピタリティーに満ち満ちています。完璧かよ。
誰に勧めてもはずかしくないレストランです。デートに、記念日に、自分へのちょっとしたご褒美に、すべてのシーンで使えるお店です。最高です、絶対にまた行きます!!
パティスリー アステリスク/代々木上原
アステリスク
お菓子好きなら当店を知らない人はいないといえるほどの有名店。シェフ・パティシエは和泉光一さん。
・WCM(ワールド・チョコレート・マスターズ)2005 日本代表 総合3位 アシェットデセール部門優勝
・WPTC(ワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップ)2006 日本代表キャプテン 準優勝
など、受賞歴多数のすごい人。入店前から期待値大。
ま、まばゆい、、
焼き菓子もあるだよ。
さて、今回買いましたケーキを紹介。
ひとつずついきましょう!
シャンピニヨン 580円
メレンゲがほのかにレモン風味。生クリームとバナナ、バナナ味のクリームと続いて土台はチョコのクッキー生地?みたいなもの。なんだかチョコバナナを連想する組み合わせ。組み合わせのわりにあっさりめ。
タルト・オ・セゾン 560円
上はメレンゲ?チェリー系の風味と酸味があり食べやすく、中にはカスタード、下はやわらかめのダマンド生地。カスタードのおいしさに悶絶!彼女がシュークリームをあきらめたことが悔やまれます。
モンブランクレメ 590円
マロンクリームは栗を全面に押し出しており、栗をまんま食べているよう。中のクリームは栗の風味を邪魔しないおさえめの存在。バランスがいい。
アーム 570円
サロン・ド・テ・スリジュ時代からある和泉シェフのスペシャリテ。WCM2005アントルメ部門で最高得点を獲得した作品らしい。配合や構成がかなり込み入っていて、チョコレートの溶ける順序まで計算されているようですが、僕にはよくわかりませんでした。ただ、チョコレートの主張はしっかりとしていて純粋においしいし好きです。
リス 580円
チーズとベリー系のムースで構成されたケーキ。外観が非常にかわいらしい。味は見た目によらず主張が強くありませんでした。ケーキはふたりで食べていたのですが、途中から満腹状態であまり味の記憶がありませんすいません。
とても優等生な印象のケーキ屋さんです。このお店のケーキを食べて嫌いという人はほとんどいないのではないかと思います。どのケーキにも安定した気品を感じました。しかしそれゆえに冒険はあまりなく、新しい発見がほしい人には向かないかもしれません。おみやげやプレゼント、絶対に失敗したくないときにおすすめ。それだけの安定感。すばらしいお店です。
また、今回僕がいちばん魅力的だったのはタルト・オ・セゾンのカスタードクリーム。次回はシュークリームを購入してその力を存分に感じたいと思います。
ソースキュリーを食べる/代々木上原
ラ・ファソン古賀。本日で3度目。そろそろ常連になれそう。
きょうはランチコースの3500円を選択。
【グリンピースの冷製スープ】
きょうで飲むのは3度目。3度飲んで毎回おいしく思えるという感動のスープです。
スープは約1ヵ月ごとに変わるらしく、つぎはコーンポタージュを予定していると古賀さんが言う。ううむ、こうなったらスープを飲むために毎月行きたくなってしまう、、
サラダは大迫力、これとパンだけで立派なランチになりそうなくらいです。ドレッシングはシーザー。チーズと黒胡椒がしっかりと効いていてうまい。ドレッシングはあとからかけるのではなく、サラダボウルですべて合わされて盛られるため、サラダとドレッシングが絡まって常に味は均一。ムラがありません。下には大山地鶏のもも肉スモークと砂肝のコンフィが配され、クルトンの食感もアクセントに。
【ソースキュリー】
「和牛すね肉と何種類もの野菜から抽出した、たっぷりのコラーゲンと肉の旨味、また野菜本来の旨味が豊富に含まれています。さらに手間を加え、一切の油分を取り除いているため胃もたれもありません。(公式ホームページより)」
テクスチャーはほとんどスープ。スパイスと溶け出した食材すべてのおいしさがエレガントにまとまったカレーです。そして表面には油分がほとんど浮かんでいない。微細な油分が光の加減で見える程度。暑い夏にも鍋をぐらぐら沸かしながら手間ひまかけて煮込んで油をすくいとるんだろうな、キュイジニエの苦労に脱帽。カレーにはいろいろな系統があるけれど、スープ系、具なしの系統なら間違いなく最高峰のカレーだと思います。
デザート、コーヒーを頂いてごちそうさまでした。
「ランチの時間は話せなくてごめんなさいね。お客さんと会話するためにカウンターにしてるんだけどなかなかね、、」
と古賀シェフ。
いえいえ、こちらは古賀シェフの近くで調理を拝見したり食事ができてしあわせです。
さて、つぎはハヤシライスか、、
当店はたのしみが尽きません。ごちそうさまでした!!
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カフェ89/新宿
ランチにラスに伺ったあと、表参道のオサレなカフェに入ろうかとあたりを徘徊していたのですが、どこも長蛇の列。特に『アースカフェ』に関しては引いてしまうくらいのひとの線。ダメ元で『パンとエスプレッソと』に電話をかけると、
「15時からのフレンチトーストをお待ちのお客様がすでに10組ほどいらっしゃいまして、1時間待ちくらいになってしまいます」
おれが間違ってたんや、日曜日の表参道にカフェを求めちゃいかん。平日に出直します。
ってなわけで新宿です。
カフェ89
カフェ・カトル・ヴァン・ヌフと読みます。新宿西口のヨドバシカメラの裏手の通りにあります。おしゃれな赤いファザードが目印。
こちらもほぼ満席状態でしたが、いちばん奥の席が空いていました。ラッキー!
ドリンクはもちろん、フードもかなり充実しています。
彼女はアイスコーヒー、僕はカフェラテ。
ブログを書いていて思ったのですが、これ、カフェラテ?カプチーノじゃね?カフェラテがこんなにあわあわだと、もはやカプチーノ。自分が注文した品がなにであったか自信が持てない、、まあね、女の子と話していてしあわせだったんでね、なに飲んでたとかどうでもいいわ。
ちなみにカフェラテは
ミルク8 エスプレッソ2
カプチーノは
エスプレッソ3 スチームミルク3 フォームミルク4
の割合みたいです。
カフェラテは泡なし、カプチーノは泡あり。ならこれはカプチーノじゃないすかね、、まあおいしかったからいいや。
彼女はアフォガード、僕はクレームブリュレ。
アフォガードはエスプレッソの苦さとアイスの甘さがグッド。むずかしい話は一切なし、おいしい組み合わせは案外単純な構成でできていることがほとんどなのです。
クレームブリュレは表面のカラメルがぱりっぱり。中はとろとろ、まるでカスタード。味もくどくない。強いて言えばもう少しポーションがほしいなあ。
新宿の駅近くとは思えないくらいに落ち着ける空間でした。おかげでゆったりおしゃべりできました。カフェってすごいですよね、飲み物代払うだけで場所も提供してくれて。冷房も効いて涼しいしね。
いいお店を見つけました、また来よっと。
ラス/表参道
L'AS
コースは一本きり。フルコースでありながら5000円という破格の価格帯のフレンチレストラン。カジュアル路線で手が届きやすく、表参道という立地も後押しして大人気のレストランです。
当店のシェフは兼子大輔さん。大阪の名店『ラ・ベカス』で修行後上京し、東京屈指の名店『コート・ドール』の斎須シェフに師事。渡仏し帰国後、麻布十番の『カラペティ・バトゥバ!』でシェフを務め、2012年に当店をオープン。
この経歴からカジュアル路線のフレンチとはまったく想像がつかない。前評判が高いのでハードル上がりまくり。しかも今回の連れは4年ぶりに会う女性ということで失敗できない。
失敗したくない。
1ヵ月前に予約して伺います。
カジュアルフレンチだけあってテーブルクロスなどはなく、カトラリーはテーブルの引き出しに収納してあるスタイルです。
【自家製モッツァレラ】
なめらかでおいしー。上にかけてある塩が粗めに効いています。アミューズに手が込んでいます。
【フォアグラのクリスピーサンド オレンジ風味】
ラスのスペシャリテ。ずっと気になっていて、ついにご対面。包装までされて手間暇を感じます。
見た目は完全にハーゲンダッツのクリスピーサンドであり、兼子シェフ自身もハーゲンダッツから着想を得たと公言しています。少々キャッチーではあるかもしれませんが、いいと思ったことは臆面もなく取り入れて、それをスペシャリテにまで昇華させてしまう実力はさすがとしか言いようがありません。
クリスピー部分はぱりっとして、フォアグラ部分はなめらかな油分に富んでいます。
真ん中あたりからオレンジがお目見え。マーマレードみたいな味だけれど、えぐみは感じられず、柑橘の酸味と苦味がフォアグラとよく合います。
ちいさそうに見えますが、実際に食べているとけっこうなボリュームです。コースのはじまりからアクセル全開。
【ラタトゥイユ L'ASスタイル】
ラタトゥイユは通常赤いですが、当店のものはトマトの透明なジュレを用い、上にはオリーブオイルのソルベ。
見るからにあきらかな再構築ですが、味はふつうでした。量がけっこうありますが、塩気が強かったために最後まで食べきるのがちょっとしんどかった。
【北海道産ズワイガニのメリメロ】
メリメロとは混ぜるという意味らしく、かに味噌、卵黄、インカの目覚めのピューレ、パルミジャーノを混ぜて食べます。
うま味のかたまり。細かい計算的な料理ではなく、がつんとうま味を食べる料理という印象。わかりやすくおいしいです。なんにも考えなくてもおいしいって楽でいいわ。
【鹿児島県産カツオの冷燻製仕立て】
ソースはブロッコリーのピューレ、パクチーが振りまかれています。
パクチーって好き嫌いはっきり分かれる食材なのに、よくコースのレパートリーに組み込みますよね。僕は食べられますが、連れがパクチー初体験。結果、パクチーは皿の脇へ。好みが別れる食材はむずかしいですね。
【軍鶏のもも肉 オマール海老のロースト】
やったあ鳥のお肉だあ!!!
軍鶏は塩がちょうどよく効いていて、海老さんはちゃんと肉厚。ソースは甲殻類のジュがベース。
これはかなりクラシカルな料理であり、本日いちばんのお皿です。こういう料理を食べさせられると兼子シェフの経験値、これまでの経歴に納得させられてしまいますなあ。
【フレッシュメロンソーダ】
お口直しのシャーベット。あんまり好きくない味でした。お口直されなかったです。
【ショコラのクネルとガレドラロワール サマートリュフ添え】
チーズをチョコで食べるのははじめてでしたが、これがなかなかいけます。フランスでは食後にチーズを食べるし、デセールと兼ねて合理的。
ただ、チョコレートソースが濃厚すぎてトリュフが死んでしまっていました。メニュー表に書いてあっても感じられないんだから、目をつぶって食べたら面影すらわからないでしょう。
当店は食後にハーブティーを提供するのが決まりらしく、コーヒーはありません。
なぜなのか!!!
しかもこのハーブティーがあんまりおいしくなかった。いろいろこだわっているみたいですが、なんだかすごく混み入っていてわからなかったです僕には。
なんだか終盤にかけてネガティブな発言が多くなってしまった気がしますが、すべてを総括して感想を述べると、やはり当店は優れています。
ところどころ気になる点はありますが、それはあくまで僕の意見というだけであり、客観的にみればこういうカジュアル路線のフレンチは稀有であり、デートにはぴったりでしょう。健全な初デートなら確実に好感度が上がるはず。
ですが、フレンチにラグジュアリーさを求める場合、やっぱり当店は違いますね。照明は落としてありますが、店内は非常ににぎやかで店員さんの説明がところどころ聞こえないくらい。
しかしそれがフレンチ独特の緊張感を和らげているのかも。こういうことは実際にお店に伺って、席に座って時間を過ごしてみないとわからない。気になっている方はぜひ行ってみてほしいです。
それともうひとつ、当店はランチで行くよりディナーで行くほうが費用対効果が高いと感じました。ポイントは昼夜統一価格という点で、大抵のレストランはランチが安く、夜は高い。正直、ランチという土俵なら当店より優れたお店はほかにもたくさんあります。
当店が真価を発揮するのはディナーだと確信しました。ランチで5000円は高いけど、ディナーで5000円ならばかみたいに安い。たぶん印象がまったくちがってくるはずです。
当店は3週間に一度メニューが変わるみたいなので、またタイミングを見て、つぎはディナーに伺いたいです。
でもほんと、コーヒー出してくれないかな、、
カレーハウス イマサ/新宿
カレーハウス イマサ
新宿駅の大江戸線、京王線改札口から西口へ向かう一本道にある当店。向かい側にはバーガーキング。この通りには飲食チェーン店がひしめき、昼食や帰宅途中のビジネスパーソンの受け皿になっているようです。
以前からイマサの存在は知っていましたが、入る機会にめぐまれず、今回はじめての入店。
ネットで調べていた際に、チキン竜田カレーがあることを発見していたのでそれにしようと思っていたのですが、、
ないだと、、
ふと目の入った新商品らしきポスター。
チキン南蛮。
チキン南蛮、好き。
これにしよ。
カウンターに座ると水と、スプーンが紙ナフキンに載せられやってきます。スプーンはいわゆるふつうの底の深いタイプではなくソースキュイエール。フレンチでよく使われるカトラリーですが、これならルーが掬いやすいです。
カウンターに常備されたお漬物。右が福神漬け、左がきゅうりの漬物?福神漬けはふつうの福神漬け、なんの変哲もない福神漬け。左の漬物はかぎりなくきゅうりのQちゃんに味が近い。色こそ違いますが、もしかしたら発注先が一緒?業務用なのかしらん。
チキン南蛮カレー
なかなか迫力のある盛りです。ボリュームも十分。カレールーはチキン寄りなのかな、かなりマイルド系。辛さでいえば甘口と中辛の間くらい。言い方悪いですが、質感としてはレトルトカレーに近い。おいしいんですけど。
チキン南蛮はこういうお店にありがちな可もなく不可もない、ふつう味。タルタルソースがもう少しほしかっただよーー!!
あと残念だったのは白飯。自分の好みよりちょっとやわらかすぎ。たまたまだったのかな。
一杯690円。高い。
ほかのメニューはもっと安く、500円台がベースなのかもしれないので、そのあたりを頼むとコスパがよさそうです。
また、追加料金の幅が広いので、自分なりのカスタムをするとたのしいかも。
ところで、僕はこの一杯で十分膨れたのですが、食べている途中にふと、
「南蛮大、メンチ追加」
と注文をキッチンに通す店員さん。
南蛮大=チキン南蛮カレーの大盛り
それに+メンチカツだと!?
そんなに食えるんかい、、すごいなあ、、
機会があればまた来ます。
ごちそうさまでした。
パティスリー アニバーサリー/青山
アニバーサリー。
青山や早稲田など、多店舗経営をしているパティスリー。
ウェディングケーキを得意とし、ケーキがとてもファンシーなことで女性客からの支持の高いお店。
写真のビルの真ん中奥がお店につながる通路。
一見ケーキ屋とは無関係そうで、一時は通りすぎてしまいました。
通路をくるくる歩いていくと、、
ありました。
ゴールドのロゴ。
かっこよすぎるぜ。
そして中に入ると、
かわいらしい内装とシュガークラフトが!!
ショーケースに並べられたケーキ。
もはや芸術作品、食べ物とは思えないうつくしさです。
焼き菓子も充実。
今回買ったものは、
ショートケーキ 450円
レアチーズケーキ 400円
宇治抹茶ロール 450円
四万十栗のモンブラン 650円
レアチーズケーキ
こってり濃厚なレアチーズ。
さわやかな酸味があって甘さもひかえめでくどくない。
ショートケーキ
当店のスペシャリテ。
ショートケーキはホールをカットして売るのが一般的ですが、このお店ではひとつひとつ小さなホール仕立てにして、丁寧にナッペ(クリームを塗ること)までしています。
この手間ひまがプロとアマの差でしょうか。
そして味なのですが、ふつうです。
すいません、僕はショートケーキについて無知なのでえらいことは言えませんが、さして感動はありませんでした。
四万十栗のモンブラン
マロンストリングが細め、甘さがだいぶ抑えられていて栗感が全面に出ています。
中のクリームも甘さひかえめ。
あれ?
なんでこんなひかえめなんですか、、
おれは甘さひかえめは大歓迎だが、それでももうちょい甘いほうがいいぞ、、、
なんて悶々としていたとき!
下に敷かれたメレンゲを口に含んでびっくり。
しっかり甘さがついている!
すべてを一緒に食べるとちょうどいい甘さになりました。
マロン、クリーム、メレンゲがそれぞれ甘いと食べたときにばらばらになるところを、一緒に食べたときにちょうどになる加減にしているあたり、きっちり計算されているんだなと。
しかしなぜかこの商品だけほかより200円以上高い。
なぜなのか!
宇治抹茶ロール
これ、超うめえよ!
スポンジがふつうのスポンジよりもむっちりしていて、噛むと跳ね返してくるような弾力。
真ん中の抹茶クリームは苦味を全面に押し出した大人味に仕上がっています。
抹茶商品はブームしてだいぶ経ちますが、そのほとんどが甘さを押し出して抹茶感、すなわち苦味を抑圧したものであり、抹茶を使っている意味がないものばかりな中、この商品は完全なる本物でした。
全体の骨格がはっきりしたわかりやすい抹茶スイーツです。
いいケーキ屋さんでした。
抹茶ロールを買いに行くだけでも価値があります。
そしてこのお店のホスピタリティーについて。
当店に伺った際に、僕たちは空のアイスコーヒーのカップを持っていたのですが、それを見た店員さんが、
「こちらで処分しましょうか?」
と言ってくださったのです!
これこそが本物のホスピタリティー。
1円にもならない気遣いを施すのは簡単なことではない。
ありがとうお姉さん、絶対に再訪します。
ラ・トルチュ/広尾
La Tortue
フレンチ好きなら必ず知っているであろう名店『タテルヨシノ』。その吉野建シェフが手掛けるビストロ店です。
吉野シェフはパリ、東京どちらでも星を獲得し、当店もミシュランのビブグルマンを獲得している実力店です。
入ってびっくり。
店内の雰囲気が非常にカジュアル。椅子の下に配置された荷物置きのかごはおそらく100均のもの。300円のものに替えたらだいぶ印象変わるんじゃないかな、なんて思ったりして。
コースは3つから選びます。
5400円のものにしました。
【アミューズ グジェール】
グジェールとはチーズを混ぜ込んだシュー皮。中身はなんにも入っていません。
シュー皮だけではかなしく、アミューズの使命である高揚感の演出は成されませんでした。ルカンケのすばらしいアミューズを思い出してしまう。
【椎茸のアゲマキ貝詰め】
椎茸は肉厚で、ナイフで切る手応えを感じます。瑞々しくておいしい。
アゲマキ貝はたまねぎや香草などを纏い、パン粉をかけられています。この味付け、どこかで食べたことあるなあ。
ああそうだ、サイゼリヤだ、サイゼの若鶏のディアボラ風だ。
とても好きなベクトルのソースでおいしいんですが、記憶の引き出しからサイゼが出てきてかなしい。
【ルクルス 牛タンとフォアグラのミルフィーユ仕立て】
ルクルスとは北フランスで食べられている料理みたいです。北フランスってあんまりイメージが浮かばない。
肝心の味は、、おいしい!!
牛タンはスモークされて、フォアグラと何層にも重ねられて彩りもうつくしい。
牛タンのうまみとフォアグラのなめらかな食感の味わい深さがたのしいです。料理人の手間ひまの結晶ですね。
【人参のポタージュ】
うっまい!
濃厚なんですが、どこかすっきりとして飲みやすい。ポーションは少なめですが、これ以上あるとくどく感じるかもしれません。
人参ポタージュはルカンケでも飲みましたが、僕はこちらの人参ポタージュのほうが好みかも。
【サーモンのミ・キュイ ステラマリス風】
ミ・キュイとは半生調理のこと。サーモンによく使われます。
サーモンは燻製されて香りが非常によく、身ははらはらとほどけていきます。
最近フレンチで魚料理を外さないです、この魚料理もとてもおいしい。
【猪肉のパイ包み】
当店は吉野シェフの手掛けるビストロなので、クラシックな料理が続きます。
猪は粗いミンチにされ肉々しい反面、かなり野性味が強い。ジビエが食べられない人にはかなり臭いかもしれません。
全体の味のバランスはいいのですが、サーモンがすてきすぎて2人そろってトーンダウンしてしまいました。
【メロンのエスプーマ】
まさか当店でルカンケを3回思い出すとは、、
こちらのデセールもパフェ仕立て。
上からメロンのエスプーマ、メロン果肉、アーモンドのブランマンジェ。
僕はメロンを好んで食べませんが、このプレゼンテーションはやっぱりすてきだし、テンションが上がらずにはいられない。
ブランマンジェは大好物で、非常に好みの味! ぜんぶブランマンジェでよかったくらいです。
コーヒーを飲んでごちそうさまでした。
ランチコースで5400円。うーん、これはなかなかむずかしいです。
というのは、5400円出すならもっとべつのレストランで、そう、ビストロではなくレストランで食事ができるわけです。
当店はこの下に2つ安いコースがあるので、そちらを選んだ方がビストロらしく食べることができるのかな。
しかしいずれにせよ、肩肘張らずに気軽にフレンチが楽しめるのはとてもすてきなことです。
次回はべつのコースで違うものも食べてみたいですね。
ごちそうさまでした!!
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ラ・ファソン古賀 再訪/代々木上原
前回のランチで古賀シェフの料理がどんぴしゃにはまった我々。
ちょうど1週間後に再訪。 1週間で同じフレンチレストラン2回行くとか、あんまりふつうとは言えないけど、、
18時半に入店。先客はいませんでした。今回はテーブル席に案内されました。
当店のディナーはランチと同じく3タイプで7500円、 10000円、12000円から。
12000円はフルコースで、価格が下がると品数が減ります。
12000円のコースを選択しました。
コース以外にもアラカルトもあるみたいで、使い勝手がよさそうです。
【ヤングコーンの焦がし焼き ラヴィゴットソース】
ラヴィゴットとは、フランス語で『元気の出る』という意味で、このソースにはたくさんの野菜のみじん切り、酢やオイルが入ります。おもにカルパッチョなどに使われるソースです。
このソースがすごくおいしい!たくさんの野菜をひとつにまとめる酸味のバランスや、見た目のうつくしさ。
ヤングコーンって水煮でしか食べたことなかったですが、フレンチのシェフが丁寧に仕事をすると立派なアミューズになるんですね。
前回のランチで食べたグリンピースのスープ。ディナーではそれをグレードアップしたものが。
中には鮑の酒蒸し、空豆、白いのがたまねぎのクーリ(ピュレのようなもの)、琥珀色のものはオマールコンソメ。
やっぱりこのスープうめーー。
鮑の酒蒸しはやわらかく、噛み締めると抵抗なくちぎれてくれます。
【初鰹の炙り焼き ガーリック、バルサミコ風味】
僕、実は鰹が好きじゃないんです。だからコースに鰹が組み込まれていることに不安があったのですが、そんなことは杞憂でした。
鰹にはくせが少なく、ガーリックとバルサミコのソースがぴったり。
【ホワイトアスパラガスとジロール茸のソテー マデラ酒風味のデュクセルソース】
デュクセルソースとは、たまねぎやセロリのみじん切りをバターなどで炒めきって作るソース。
ホワイトアスパラガスはロワール産のもの。1本がとても肥えていて太い、そして甘い。上に載っているのはアスパラソバージュ。
アスパラガスをソテーしたシンプルな品ですが、こういうわかりやすい品がコースにあると小休止的で落ち着けますね。
それに野菜をソテーしただけのものが一皿として昇華できるのは、シェフの目利きが確かだからだと思うのです。
【イサキのポワレ 花ズッキーニのムース詰め】
前回のランチで食べた桜鯛に引き続き、今回のイサキを食べて確信。当店は魚の火入れに優れており、僕としては肉料理よりも断然、魚料理が好みです。
付け合わせの花ズッキーニの中には白身魚とピスタチオのムースが!なにこの発想力。料理ってたのしいなあ。
【熊本産赤牛のグリエ 山葵風味 赤ワインデミグラスソース】
ひさしぶりに牛肉を食べました。おいしいです。おいしいんですが、、、
そもそも僕は牛肉が好みではなく、もうひとつの選択肢の豚肉も好みではない。
フレンチだったら鴨とか羊を食べたい!
って思ってしまうわけで。
牛肉豚肉の扱いは古賀さんのこだわりなのか。
ちなみに僕がいちばん好きな肉は鶏。古賀さんの作ったフリカッセ食べたいなあ、絶対うまいはず。
【レモングラスと緑茶のアイス ゴールデンスペシャルのブリュレと小夏】
レモングラスと緑茶!なんという組み合わせ。しかも抹茶じゃなくて緑茶なんですか。
レモングラスのさわやかな風味と緑茶のしっかりとした渋さと苦味がさっきまでの食事の油をすっきり洗い流す。
そしてその先にあるブリュレ。これがまた絶品。当店ではクリームと柑橘は黄金タッグ。
季節の食べ物をただ使うのではなく、その効果を的確に活用しています。
【プティフール ガトーショコラ グレープフルーツのピール】
ガトーショコラのテクスチャーはやわらかめでしっとり。
ピールはしっかりと苦味が効いていて、食後にはこれくらいでいいと思いました。
ディナーもランチと同じく感動の連続でした。
食事終わりに古賀シェフ自らが席に来てくださって話をさせてもらいました。白髪が似合うダンディーな料理人は話してみるととても気さくで暖かなひとでした。
すてきな食事でした。また必ず行きます!!
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