ラ・ファソン古賀/代々木上原
La façon koga
代々木上原の住宅街にあるフレンチのお店。
シェフは古賀義英さん。フレンチ界の大巨匠である井上旭シェフの名店『シェ・イノ』のオープニングから携わり、右腕として活躍してから渡仏。
『コートドール』、『トロワグロ』などの名店で研鑽を積まれています。
ランチは、
メニューA 3000円(スープ、メイン、デセール)
メニューB 3500円(スープ、サラダ、メイン、デセール)
メニューC 5000円(スープ、前菜7~8品、メイン、デセール)
から選べます。
来店前から5000円のコースに決めていたのですんなりスタートです!
【冷製グリンピースのスープ 新玉葱のクーリ 空豆、スナップエンドウ添え 抹茶風味】
一発目からやってくれたな! という一皿。連れとふたりで悶絶。
グリンピース独特の苦味やえぐみは一切感じられず、澄んだ甘さだけが際立っています。
中には空豆とスナップエンドウが入っていて、とくにスナップエンドウがしゃきしゃきと心地よいです。
4月最後のこの日は陽射しがつよく、冷製スープの季節なんだなあとしみじみ感じました。
バターのお皿がすてきですね。パンはふつうのフランスパンです、おいしいです。レストランで食べるパンってどうしてこうもおいしいんでしょう、、
当店はオープンキッチンであり、カウンター席が8席、廊下を渡った先に部屋があるみたいです。
僕たちはカウンター席に陣取ってキッチンをまじまじ観賞。シェフが目の前で包丁を研ぎ、食材を切り、スパイスやオイルを振りかけたり。
もうひとりの男性スタッフとホールを兼ねた女性スタッフの3人で料理を作り上げていく。
目の前で繰り広げられる調理に言葉もなくただ凝視してしまいます。そしてできあがった前菜が、、
【オードブルの盛り合わせ】
僕がこれまで見たなかでもっとも華やかで中身の詰まったワンプレートです、確実に。
7~8品と書いてありましたが、10品くらいあります。ワンショットグラスの後ろに1品隠れていますが。
女性スタッフが全前菜の説明をしてくれました。
なかでもおいしかったのはいちばん左下のたけのこ。たけのこってこんなにみずみずしかったか!
と思い出させてくれるくらいすばらしい質感。
左下から3番目はホタルイカとホタテの燻製。ホタテが燻香のまとい、かといって身は引き締まりすぎずにやわらかい。
ワンショットグラスの中身はえびの冷製ビスク。濃厚な甲殻類のおいしさが詰まっています。
当店はブイヤベースも出されているみたいで、ここのスープ・ド・ポワソン絶対うまいだろうなと想像してしまいます。
メインは
【桜鯛のポワレ キタアカリ ほうれん草 茄子のソテー タプナードソース添え 生姜、レモン風味のクリームソース】
【山形豚肩ロースのグリエ ローズマリー風味 インカのめざめ、カリフラワーのソテー添え ポワブラードソース】
から
僕は桜鯛、連れは豚肉を選択。
この鯛、めっちゃうめえ。身がやわらかく火入れされていて、そのうえ下に敷かれたクリームソースがまったく重くないために鯛の繊細な肉質を邪魔しません。
ソースには柑橘の果肉(おそらく小夏)が入っていて、非常にさわやか。この手のクリームはもったりと重めになりがちですが、柑橘のニュアンスを含ませることでクラシックなソースにモダンさを感じました。本日いちばんのお皿です。
彼女の豚肩ロースもひとくちもらいましたが、断然鯛のほうが好みでした。
【キャラメルと小夏のパウンドケーキ バタークリームのアイスクリーム】
デセールはふつうでした。突出したところはありません。ふつうでいいのですが、前菜からメインがすばらしすぎたせいか、やや失速気味に感じられてしまいました。
これだから飲食店って大変なんですよね。一からすごいと十まですごいのを求められてしまうという。
すばらしいお店でした。
スープ、ソースといった液体系のおいしさが間違いありません。
さらっと品出しして、お召し上がりくださいって出しますけど、フレンチのいちばん手間な部分ですからね、ブイヨンとったりソース煮詰めたりって。それを恩着せがましくだらだら説明もしないで、とてもかっこいいです。
当店は非常に僕好み。広尾の『アラジン』と張ります。退店後、連れの興奮も覚め上がらず、近々のディナーを予約してしまいました。
ディナーで古賀シェフの本気を感じられることを楽しみにしています。
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ルカンケ/白金台
REQUINQUER
ミシュランガイド2017において1つ星、3年連続ミシュラン1つ星のフレンチレストラン。
白金台のプラチナ通りから一筋入るとお店があります。
当店のシェフは古屋壮一さん。
八王子『モンモランシー』、広尾『アラジン』などを経て渡仏。帰国後は西麻布『ビストロ・ド・ラ・シテ』にて料理長を務め、2009年に当店をオープン。
経歴的にはばっちばちのクラシック系統。当店はクラシックにモダンな要素を取り入れた料理に定評があり、わるい話をぜんぜん聞きません。2週間前に予約してうかがいます。
テーブルセッティングがすてきです。ナフキンのかたちが凝っています。
僕たちが座った席はキッチンにいちばん近いポジションでした。
一階がオープンキッチン(でも中はあんまり見えませんでした)、二階に10席くらい、三階は個室らしいです。
ランチコースは基本3300円+サービス料10%+税8%。4月からランチのサービス料が5%から10%に上がったみたいです。
メインはポワソン(お魚)、あるいはヴィヤンド(お肉)から選択するスタイル。そこに1200円追加することでどちらも2/3のポーションで食べることができます。もちろん追加料金を払ってどちらも食べます。
【小石に見立てた小さなパンと豚のリエット】
ほんとうに小石そっくり!
パンに竹炭が練り込まれているみたいです。リエットがおいしかった。でも小さすぎてかえってストレスたまる。おいしいんだもの!!
【フォアグラのお菓子仕立て】
フォアグラを冷たく甘いお菓子にしてしまうとは。
まったりとしたフォアグラのコクと、冷たいアイスのなめらかさと甘さという取り合わせが見事でした。
そういえば、同じくミシュラン1つ星のシャントレルでは、フォアグラのマカロンが出てきたことを思い出しました。あれもうまかった。
ところで、「お菓子仕立て」ということは時期によって出てくるお菓子の仕様も異なるのか?
今回はソフトクリームでしたが、アイテムが変わるならぜひ食べたい!
【新人参のポタージュ】
これ、ブイヨンやジュを使わずに人参と水だけ(人参だけだったかな、忘れた)を使って作ったみたいです。
ブラインドで食べたら人参とはわからないくらいにほくほくと甘く、まるでかぼちゃのポタージュみたいです。素材のよさ、それを活かす技量を見せつけられました。
パンはわりと小ぶりです。僕はそれなりに食べるので、何度もおかわりをお願いするのがはずかちっ。
フレンチあるあるじゃないでしょうか?
【うちむらさきのフリット】
うちむらさきとは二枚貝のこと。
フリットにされたうちむらさきをあおさ海苔とコキヤージュ風の豆のクーリでいただきます。
お皿の盛り付けは海をイメージしているみたいです。しかし、料理がサイドで盛り付けられているお皿はとても撮るのが難しく、みなさんにはうまく伝わらないかなと、、、すいません。
うちむらさきははじめて食べますが、貝類が好きな僕ですから、外れるわけもなくめちゃくちゃうまいです!
肉厚でしっかりとしたポーション。海苔を使うことでなんとなく和の趣もあり、フリットも天ぷらの仲間ですから、日本人好みと言えるかもしれません。
コースでいちばんのお皿でした。
【本日の鮮魚 その日のキュイソンのスタイルで】
追加料金を払うことにより、ポワソンはグレードが上がりました。本来ランチではスズキを使うところがアカムツに変更。
香ばしく焼きあがった皮目がきれいです。添えられているのは春キャベツの温かいマリネ、桜えびとフキのリゾット。
アカムツの柔らかい白身はもちろんのこと、脇を固める添え物がしっかりとおいしい。
リゾットなんかはそのまま一皿で食べたい。こういう細部にまで抜かりのない料理ってすてきですね。
また、ソースがブールブランなことに驚き。最近のフレンチはシェフが独自で作ったソースだったり、そもそもソースが主体ではなかったりするのですが、このお店はきっちり王道で勝負している。
最近の傾向が悪いとかではなく、王道がきっちりこなせることを示せるその自信に恐れ入りました。
【仔鴨のロティ ソースアピシウス】
鴨肉のきれいな火入れと添えられたサラダが黒いお皿の上で鮮やかに映えます。一目で春を感じさせてくれる一皿です。
ソースアピシウスはスパイスの効いたソースのこと。こちらもクラシカルなソースです。
サラダに使われているのは白タンポポ。しゃきしゃきとした食感は水菜に近く、苦味が鴨肉の鉄分とよく合います。
全体としてまとまりがあり、完成されています。おいしいよ!
そしてデセールは
【桜のエスプーマとそのジュレ 抹茶のディプロマット ルバーブのスープ 大手亡のグラス】
コースの最後にこんなグラス出されたら萌えます。
サービスマンの方が、
「下から掬い上げてお召し上がりください」
と言っていたのに対して僕は内心、
『これだけ多要素な味を一口で?大丈夫?』
と思っていました。
そして一口、、ごめんなさい、うまいです。
桜の澄んだ香り、抹茶の苦味、ルバーブの酸っぱさ、大手亡のなめらかなアイスが渾然一体となってひとつの味になりました。
計算され尽くされているんでしょう、最後まですげえっす。ちなみに、大手亡とは豆のことです。
【プティフール チョコのマドレーヌ】
【コーヒー】
前評判どおりのすばらしいフレンチでした。
コースを通してシェフの感性の鋭さとセンスを感じました。クラシックとモダンのバランス感覚がはんぱない。
写真映えするし、食べてうまいし、なにより費用対効果がすばらしい。この値段でこの表現力、たしかな味、脱帽です。
また、サービスマンの仕事に抜かりは一切ありませんでした。お手洗いまできちんと案内もしてくれます。
ただ、メニュー説明がきっちりしすぎていてマニュアル的なものを感じます。抜かりのなさが近づきがたさを生んでいる。これはサービスの命題ですよね。フレンチレストランは接客においてどこまでカジュアルであっていいのか。
お手洗いは2階にありました。我々は1階に陣取っていましたので、いちいち登って下ってをしなくてはなりません。
お年寄りなどにはなかなかきつそうだなという印象。しかし、今後移転の予定もあるらしいので、これからのルカンケにさらに期待です。また伺わせてもらいます!
次はディナーで行きたいなあ。
東京モンブランについて
閲覧、どうもありがとうございます!!
東京モンブラン管理人、ミチムラチヒロです。
この記事では、当ブログについての説明、紹介を書きました。
記事を読む際の参考にしていただければ幸いです。
※だらだら文章を書き殴ります。流し読んでください。
1.まずはミチムラチヒロについて
性別/男
年齢/20代
居住地/東京
職業/パン屋
学校/調理師学校、製菓学校卒
大枠はこんな感じです。
2.なぜブログを書くのか??
なぜ僕がブログを書きはじめたのかといえば、趣味の食べ歩きを、ただの食べ歩きにしたくなかったからです。
僕は仕事として飲食業界に従事しており、食べ歩きというものをただの趣味ではなく、職業的観点から行っています。
なので、食べながらいろいろ考え、刺激をもらっているわけですが、僕はとても怠惰なものですから、紙にペンで食べたものを事細かに記録するという行為がめちゃくちゃに億劫なんです。
そうしているうちに記憶がどんどんおろそかになって、せっかく食べたものの感想や刺激もなくなっていく。
そして問題は、食べるために使ったお金はきっちりと消えているということ。
金も消え、記憶も薄れてしまうわけです。
食事って基本的には食べたらおしまいで、よほど特別でもないかぎり、その記憶は薄れていってしまう。
そして、食べたらもうなにも残らないじゃないですが、食事って。
1万円のフレンチを食べて、なにが残りますか?
そりゃ、記念日とか、特別な食事ならばよろしいでしょう。
でもね、僕はちがう。
なんの変哲のない平日に、ただ食べたいからって理由でフレンチとか行く。
で、1万円消えるわけですね。
食事中はいい。おいしいし。
食後もいい。連れなんかとおいしかったねとか話しながら、気持ちがほくほくしているから。
でも翌日ですね、ふつうにおなか、空いてるわけですね。
ふつうに空腹。
こういうとき、とてもむなしい。
1万円の食事をしても、コンビニで弁当食べても、数時間後には同じように腹は減る。
あの1万円、食事に使わなかったら、なにか家電が買えたなあ。
とか考えるとつらい。
こうなってくると、外食にお金を使うことに対して、もっと付加価値を見出していかないと、これはただの浪費になってしまうなと、ある日慄き、反省したわけです。
じゃあ、ブログに書いて、それを他人の目に晒せば、食べたものの記録もできるし、おいしいものの情報の発信もできる。
そういう感じで、このブログはスタートしました。
3.東京モンブランについて
当ブログは現在パン屋に勤める男が、勉強と趣味を兼ねた食べ歩きの記録です。
当初は雑記にしようとも考えていましたが、いまでは完全に食べ歩きメインのブログになっています。
そのなかから、いくつかのカテゴリーを紹介したいと思います。
フレンチ
写真:フロリレージュ
大枠のレストランカテの一部であるフレンチレストラン。
フレンチは僕のもっとも好きなジャンルであり、以前、都内のフレンチレストランで働いていたこともあって、とてもたのしい分野です。
レストランに行くとなると、どうしてもフレンチを選んでしまう。
これからはイタリアンもちゃんと勉強したいと思っているし、日本料理、中華も食べていきたいなと。
金さえあればね、、
パティスリー
現在、当ブログでもっとも力を入れているのがパティスリー記事。
都内のパティスリーはなかなかに価格が張りますが、レストランに比べると安価であり、気軽に立ち寄れることが魅力的。
というと聞こえはいいのですが、都内にはあふれるほどのパティスリーが存在し、行っても行っても満たされないという泥沼であるというのが事実。
そんななかでも、わたくしミチムラがもっとも信頼しているパティスリーは目白にある【エーグルドゥース】。
エーグルドゥースが大好きな方は、当ブログのパティスリー記事がすこしは参考になるかも??
ちなみに、僕はモンブランが好きで、ブログ名の『モンブラン』もそこからきています。
なので、パティスリーにうかがった際には、売っていればかならずモンブランを買っています。
ブーランジェリー
パン屋になりましたので、パン屋に積極的に行くようになりました。
もともと、パンについてほとんど無知だったので、
それなら働いてみるか。
ってな感じで転職しました。
意識して食べてみると、これまで変哲もなかったものがとたんにかがやきを放ちます。
いまいちばん、僕のなかでは熱いカテゴリーです。
4.最後に
当ブログは4月で1周年を迎えることになりました。
アクセス数なんか気にせずにやっていくつもりでも、やはりやっていると誰かに見てもらいたいもので、アクセスがまったく伸びない時期はモチベーションも上がらずに更新を怠ることもありました。
しかし1年やってみて、はてなの読者さん、ツイッターのフォロワーさんも着々とついてくださり、こんなブログでも継続しているといいことがあるなとしみじみと感じています。
現在は資格の勉強や仕事に追われており、更新頻度がすくないのですが、ゆっくりと着実に記事の更新はしますので、どうかお付き合いくださると幸いです。
東京モンブラン2周年目!!
みなさまにできるだけ有益な、たのしい記事をお届けできるように努力します。
これからもどうかご購読のほど、よろしくおねがいいたします!!
ミチムラチヒロ